質問①父親は親権者になれるか?裁判所が親権者を決める基準


ご相談内容

父子のイメージ画像今回は私の不倫相手である彼の離婚についてです。あたしも結婚していますがあたしの方はおそらく離婚にもなると思いますし、親権も私が取れると思います自信はないですが放棄もしてませんしずっと育ててきましたし旦那はほとんど家に居ないからです。

彼の方は離婚の意思は奥様も彼も覚め切っているのであるのですが、親権が怖いそうです。どうしても子どもは手放したくない。 その為にお家にいる限りの時間は、子供についやしてます。ただ仕事上帰宅が12時になる事も週2回。基本奥様ですが、それ以外で帰宅は7時前後、帰っても彼のご飯は昔からあまりがあればご飯という感じな様で、基本無いので自炊して、もちろんこどもにもバランスを考えて作って与えている様です。奥様は食べればいいというかんじのようで。

家事のイメージ画像彼はこどものためにも考えて作ってるようですし、遅番あけで翌日運動会やら、親子遠足もありました。全て彼がお弁当を作り準備もしていました。掃除洗濯もできます。お家を建てる前は彼の実家に同居しておかれ貯めたそうです。1年ほどその間は、最悪だったと、奥様は親と喧嘩して、仕方なく彼が奥様と子供連れて奥様の実家に出て気持ちおさめたり、とにかく奥様は子供なんか欲しくなかったとも言っていたようですが、放棄したってこともないようですので難しいよう。2人目も欲しかった彼はことごとく断られこの先のやってけないと感じたそうです。保育園の送り迎えも、仕事の時間で出来ない時は奥様、基本昔から彼。こどもも、女の子5歳ですがパパが大好き。

奥様は、母しかおらず自己破産もしています。今は妹さんが働いて生計を立ててるようですが、今までも孫に特別関わりもとってこなかったよう。一方彼の両親は健在。収入も安定。ちいさいときから、彼の実家でほとんどみてくれてる為なれている。実家は彼の家からすぐのところ。どうにか、親権取れる方法はないですか?

マイホームのイメージイラスト彼は子供連れて実家に俺が出るというはなしを、彼の両親に相談もしたよう。が、お前が建てた家いかなることがあっても離れるなと言われたそう。離婚に関しては理解はあるそうですが、その為、彼がこどもを育てれるという状況作りが難しくなり余計に調停にはこべなくなりました、調停は男が不利になるからです。どうしたらいいでしょうか?

ご回答

弁護士宮﨑晃画像相談者さま

こんにちは。
弁護士法人デイライト法律事務所です。

先日は、メールでのご相談、ありがとうございました。

今回は、交際相手の方がお子さんの親権者になりたいが、どうすべきかというご相談ですね。メールを拝見した限りでは、あなたの交際相手が親権者となるのはかなり難しいのではないかと考えられます。
ただ、交際相手の方はお子さんに対して深い愛情をお持ちのようですので、仮に親権者となれなかった場合、監護権者としてお子さんを育てていくことや、離婚の話合いの中で面会交流の機会を確実に得ることができるようにきちんと取り決めをしておくことといった方法をとることもできます。

以下で、詳しく説明します。

 

<親権者の決め方>

説明する男性のイメージイラスト親権者の決め方は、お子さんの父母が話合いにより親権者を決める「協議」による場合と、話合いがうまくいかない場合に裁判所が親権者を指定する「親権者指定の審判(家事事件手続法別表第二第八項)」による場合の2通りあります。

いただいたメールだけでは現在の状況がよくわかりませんが、まずは交際相手の方と奥様が「協議」をすることになるでしょう。

<親権者判断の基準>

説明する男性のイメージイラストそして、「審判」になった場合、裁判所が親権者の指定を判断する際の基準としては、①監護の継続性、②母性の優先、③子の意思の尊重、④離婚に関しての有責性、があげられます。

それぞれの基準について、いただいたメール記載の事情をあてはめてみましょう。

①監護の継続性

育児をする男性のイメージイラスト離婚によって子どもの成育環境を大きく変えるべきではないので、現在主に子どもの世話をしている親が親権者となるべきという考え方に基づいた基準です。
あなたの交際相手のケースでは、母親がごはんをつくってお子さんに与えており、父親が仕事の間はお子さんの世話をしているようですし、相談者のあなたも育児放棄があるとまではいえないとおっしゃっていることからして、母親が現実的にお子さんを養育監護しているとして、その状態を継続すべきとされる可能性が高いです。

②母性の優先

まだ幼い子どもについては、一般的には幼児期は母性的役割を果たしている親の監護と愛情が重要と考えられています。
お子さんが5歳とまだ幼いあなたの交際相手のケースでは、父親が栄養バランスを考えた食事づくりや保育園行事等の参加、送り迎えなどを積極的に行っている様子が見受けられ、実家のサポートも期待できるのに対し、母親の実家にはサポートが期待できないなど、父親が母性的役割を果たしている面もあります。
母子のイメージイラストしかし、メールを拝見する限り、母親が母性的な役割(食事づくりなど世話をしている)を果たしているようであり、お子さんに虐待をしていたり、全く世話をしていないという事情は見受けられません。
そうすると、母親として不適格であるとまではいえず、母親が母性的役割を果たしていると認められる可能性が高いです。

③子の意思の尊重

考える子供のイメージイラスト子がどちらの親を親権者として希望しているか、その意思を尊重すべきという考え方に基づいています。
しかし、5歳というお子さんの年齢は自分の意思を明確に伝えられる年齢ではないと判断される可能性が高く、仮に父親に監護してもらいたいという意思をお子さんがもっていても、そのお子さんの意思だけが重視されるとは考えにくいです。

④離婚に関しての有責性

焦る男性のイメージイラスト離婚に関して有責性を負う親は、親権者として不適当であるという考え方に基づいています。
そして、父親には、婚姻関係継続中にあなたと不倫関係にあった、すなわち不貞行為があったという有責性が認められる可能性があります。

<監護権者になるという選択>

父子のイメージイラスト仮に母親が親権者となった場合でも、監護権者(日常的に子供の世話をし、育てていく親のこと。民法766条1項)として、お子さんを育てていくことは可能です。親権者の場合と同様に、父母の協議によって定めることも、裁判所に定めてもらうこともできます。
ただし、未成年の子の法定代理人である親権者が子の身上監護(日常の養育のこと)を基本的には行うべきと考えられており、父母の間に一定の協力関係があるのが前提となるので、母親が強くお子さんの監護を希望している場合には難しいでしょう。

<面会交流権>

子供と遊ぶお父さんのイメージイラスト仮に母親が親権者となった場合、父親にはお子さんとの面会交流権がありますので、あなたの交際相手の方は定期的にお子さんに会うことができます。実の親との面会交流は子供の権利でもあるので、親権者がこれを拒否することはできません。
頻度としては月1回くらいとされることが多いです。

もし父母の協議で面会交流の方法が定まらないときは、親権者とならなかった親であるあなたの交際相手の方は、家庭裁判所に対し、子の監護に関する処分として子と面会をさせるよう親権者に求める調停または審判の申し立てができます(民法766条、家事事件手続法別表第二第三項)。

説明する男性のイメージイラストなお、交際相手の方と奥様との離婚の話合いの進み具合や、あなたとの交際を奥様がご存知なのかどうかによって結論は変わりうることを付言しておきます。

今回はメールでご相談いただきましたが、当事務所で直接ご相談いただいた場合には現状に即したより適切な回答をすることが可能です。ご不明な点やお悩みのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 



離婚にまつわるトラブルのQ&A