質問⑫夫婦間で作成した不貞についての誓約書、離婚についての影響は?


ご相談内容

cd6b66186f3f503f9306c657171604f5_s結婚して12年になります。中学1年と小学5年の子供がいます。
二人目が産まれた10年前に不定行為をしてしまい、親どうしと私達夫婦で話し合いをして、その時は許してもらい、離婚をしないという事になりました。
それからは、絶対に不定行為は一切ありません。

それから何年後かに
別の女性とサーフィン関係で知り合い、相手にも家庭があり、友達関係という事で、メールをしたり、年に1~2くらい海に行ったりしていました。(7年くらいの付き合いだと思います)
その7年くらいの間にその女性とメールをしているのを妻に3回バレました。友達関係ですが、冗談めいた挨拶がわりのような感じで、好きだよ。等の文章も見られました。

本当に友達なんだっていう事も妻に伝えましたが、10年前の不定行為の事もあり、信じてもらえずです。
バレるたびに、もうメールをしないって約束しながら、メールを再開してしまいました。
その女性とは、体の関係は一切ありません。趣味の上での関係、お互いに子供の年齢も近いために、子供の事とかの相談や話し仲間です。

何年か前に誓約書を書きました。内容は、その女性とのメールや関係を一切絶ちきります。法律に関係なく、妻が不貞行為だと認める行為をした場合は、離婚し、親権や慰謝料は妻の言いなりになる。 のような、内容だったと思います。私も文章をはっきりとは覚えていません。今は、誓約書を妻が持っているので詳しくわかりません。
妻が作った誓約書にその女性と会ったりメールしたりする行為を不貞行為と判断するみたいな感じであるので、この誓約書に効力があるのであれば、民法にもある、離婚理由の中の不貞行為にあたるのでしょうか?
もしくは、離婚事由の婚姻を継続し難い重大な事由になり、妻がそれを強行すれば、離婚しなければならないのでしょうか?

民法にもある不貞行為は絶対にしていませんが、妻が不貞だと思う行為(メールや会ったり)をしてしまったという事。

誓約書に基づいて正当な離婚理由になりうるのでしょうか?
もしくは、他の離婚事由にあてはまるのでしょうか?

誓約書の約束を破った場合、やっぱり誓約書通り離婚しないといけないのでしょうか?

現在、妻は下の子供を連れて出て、別居5カ月になります。

妻のメールの注意にも背いた行為、メールの内容、妻に内緒で、2人で海に行く行為っていうのは、不貞行為になるのでしょうか?

この場合、離婚ってなった時に誓約書の効力は大きいのでしょうか?

知人とかに相談したりすると、公正証書じゃないから、証拠にはなるけど、効力はないんじゃない?って言ってましたが、不安です。

今、妻は離婚をしたいと言っています。
私は絶対に離婚をしたくありません。妻にも申し訳ない気持ちでいっぱいです。

誓約書と公正証書の違いや効力についても教えてもらいたいです。

10年前の不定行為の件も話しに絡んでくるのでしょうか?
10年前からは、その女性のメールの件もありましたが、一戸建ても購入し、二人でローンも組んでます。
本当に長々と質問も多くすみません。
よろしくお願いいたします。

 

ご回答

メールでのご相談、ありがとうございます。

まず、誓約書の内容に反する相談者様の行為が、法律上の離婚原因である不貞行為(民法770条1項1号)に該当するかというご質問ですが、該当しないと思われます。なぜならば、同条項にいう不貞行為とは、自由な意思に基づいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをさしますので、メールをする行為や一緒に海へ行く行為は該当しないからです。

そして、相談者様が離婚を拒否された場合、奥様は、協議離婚、調停離婚をすることはできないため、離婚訴訟を起こさざるを得なくなります。そして、離婚訴訟において離婚が認められるためには、民法で定められた離婚原因を満たしている必要がありますが、奥様が強引に離婚手続を推し進めても、離婚訴訟において、「不貞行為」という離婚原因が認められることはないでしょう。

ただし、別居されて5ヶ月が経過しており、奥様は離婚を希望されているようですので、今後別居期間がさらに長期化することも予想されます。そうすると、後述するように誓約書が有効なものと認められる場合には、誓約書の存在とそれに反する行為を相談者様がなさった事実、別居期間をふまえ、いずれ、「婚姻を継続し難い重大な事由」(同条項5号)という離婚原因があるとして、訴訟において離婚が認められる可能性はあります。また、10年前の不貞行為も、「婚姻を継続し難い重大な事由」の有無を判断するひとつの事情として考慮される可能性はあります。

次に、誓約書と公正証書の違いと、誓約書の効力についてお答えします。
公正証書とは、公証人が作成する、当事者間の合意内容を記した文書のことを指し、強度の証明力と執行力をもちます。執行力とは、当事者が、合意の内容に基づいた支払い義務などを履行しない場合、預金差押え等の強制執行ができることをさします。
誓約書は、当事者双方の合意内容を記載した書面という点では公正証書と同じですが、あくまで当事者が作成したものですので証明力は公正証書よりも劣る場合が多く、執行力は有しません。

相談者様が署名された誓約書についても、証明力は公正証書と比べると低く、執行力はありません。しかし、その効力については、相談者様が自らの意思で、任意に署名されたものであれば、記載内容に合意したものとして有効となる可能性が高いです。そのため、誓約書の内容通りの離婚条件が必ずしも認められるわけではありませんが、裁判での「婚姻を継続し難い重大な事由」の有無の判断や、離婚条件を決める際に、奥様側に有利な一事情として考慮される可能性はあります。
ただし、誓約書の内容を拝見していないので断言はできませんが、誓約書が相談者様にあまりにも過大な義務・債務を課すものである場合には、その内容が公序良俗に反すると認められる場合には無効(民法90条)となる可能性はあります。

相談者様が離婚を拒否され続けても、このまま別居期間が長期化していくと、判決で離婚が認められるなどして離婚に至る可能性は高くなるので、早く手を打つ必要があるといえます。

当事務所にお越しいただければ、より具体的なお話を伺い、現状に即した適切な助言をさせていただくことができますので、ご検討ください。

 

 



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