①不貞行為の慰謝料請求のケース


事例

夫Aさんは、5年前、妻と結婚し、3年前に子どもが生まれました。Aさんは会社員で年収700万円、妻は専業主婦です。

Aさんは、最近、妻が携帯電話をよくいじるようになって、怪しいと感じていました。

97f48d0b5bd793e8fe8e58f3227ed738_sそこで、ある日、妻がお風呂に入っている間に、携帯電話を盗み見したところ、他の男性との肉体関係を示すメールのやり取りを見つけました。具体的には、その男性とキスをしている写真や不倫旅行についてのメールなどです。

Aさんは、怒り心頭のあまり、お風呂から上がった妻に対して、携帯電話を突きつけ、問い詰めたところ、妻は不倫を認めました。妻からその男性は会社の上司ということを打ち明けさせました。

そこで、Aさんは、相手方男性に電話をかけ、二人きりで面談しました。男性は、いろいろと弁明はしたものの、最終的には不貞関係を認めました。Aさんは、男性に「今後、○○さん(妻)と浮気はしません。」という内容の誓約書を書いてもらいました。

誓約書のイメージ画像Aさんは、妻との離婚を決意し、離婚を求めるとともに、相手方の男性には慰謝料500万円を請求しました。

ところが、妻と相手方の男性は、不貞行為を否定し、慰謝料を支払わないと回答してきました。

また、携帯電話のメールについても知らぬ存ぜぬの一点張りです。それどころか、妻は、子どもを連れて実家へ帰り、弁護士を立てて生活費(婚姻費用)として月額13万円の請求を行ってきました。

母子の淋しいイメージ画像Aさんは、妻と相手方男性に対して、裁判まで起こしましたが、結局Aさんの不貞行為の主張は認定されず、離婚も慰謝料請求も認められませんでした。

逆にAさんは、妻に対し、毎月13万円の婚姻費用を支払い続けることとなりました。 また、それだけではなく、裁判に要した弁護士費用などの負担も発生してしまいました。

 

解説

up不貞行為の立証責任については前述しましたが、上の事案のように、いったん相手方が認めても、後日、否認に転じる場合が多くあります。

したがって、失敗しないためには、客観的証拠を集めておく必要があります。

この事例では、妻が別居し、生活費を請求しています。この生活費は「婚姻費用」と呼ばれるものです。

Aさんは妻と子どもに対して、生活保持義務を負っているので、別居中であっても、離婚が成立するまでの間は婚姻費用を支払わなければなりません。 婚姻費用の相当額については、夫婦の年収で決まりますが、この事例の場合、月額13万円は相当額といえます。

説明する男性のイメージイラストAさんとしては、離婚を求めているのに、妻に婚姻費用を支払っていかなければならないのは納得いかないでしょう。

また、妻の不貞行為が立証できれば、裁判で離婚が認められますが、立証できなければ、別居後すぐに訴訟を提起しても敗訴となります。Aさんからすると、まさに踏んだり蹴ったりの状況です。

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