②財産分与を請求したケース


事例

妻Bさんは、夫と20年前に結婚し、子ども二人がいました。Bさんは、現在、会社員として働いており年収は約300万円、夫は会社員であり年収は1000万円を超えていました。

夫は自ら財産を管理しており、給与が振り込まれる口座も自分で管理していました。そして、生活費として毎月10万円をBさんに渡していました。

Bさんは、日頃から夫のDVに悩んでいました。また、些細なことで喧嘩となることが度々ありました。

Bさんは、子どもたちがある程度の年齢になったとことから、夫との離婚を決意しました。そして、子どもたちを連れて別居するとともに、夫に離婚を求めました。

夫も離婚に応じたため、Bさんは夫に財産分与を求め、夫が管理している財産の開示を求めました。

ところが、夫が開示した預貯金の残高はわずか数万円しかありませんでした。

Bさんは、夫の給与からすれば、少なくとも数百万円の財産があるはずだと主張しましたが、夫は他に財産など存在しないと言い張り、逆にBさんの預貯金や生命保険等の財産分与を求めてきました。そこで、Bさんは弁護士を通じて離婚調停を申し立てました。

そして、裁判所を通じて、再度、財産開示を求めましたが、夫からはめぼしい財産は開示されませんでした。

お金を隠す男性のイメージ画像結局、Bさんは、夫から財産分与を受けることはできず、逆に自分が夫に財産を分与することとなりました。

解説

up-moriuchi財産分与とは、婚姻している期間に築いてきた夫婦の財産を分割する制度です。夫婦の預貯金や生命保険などが対象となります。

例えば、Bさんの財産が総額200万円、夫の財産が総額800万円の場合、対象財産は1000万円となります。

200万円(B名義財産)+800万円(夫名義財産)=1000万円

この場合、Bさんは基本的には2分の1である500万円を取得できますので、夫から300万円の財産分与を受けることができます。

500万円(取得し得る財産)—200万円(B名義財産)=300万円。

説明する男性のイメージイラストしかし、夫が財産はないと言い張った場合、Bさんは夫に財産があることを立証しなければなりません。

すなわち、財産分与においても、財産があることの立証責任は、請求するBさん側にあります。裁判では、相手方に財産の開示を求めることはできますが、強制力はありませんし、相手方が財産を隠して嘘をついた場合、立証ができません。

また、銀行等の金融機関に対して、裁判所を通じて取引履歴を開示させる方法もありますが、これは銀行名と支店名が判明していなければできません。

説明する男性のイメージイラストそして、この立証ができない場合、裁判所は夫に財産があることを認定してくれません。上記の例では、Bさんは逆に夫に100万円を支払うことになります。

200万円(B名義財産)+0円(夫名義財産)=200万円
200万円÷2=100万円

このようなことから、財産分与においては、同居中に、よく観察して財産内容を把握し、その裏付けとなる資料を収集しておく必要があるのです。

離婚でお悩みの方へ