年金分割はどうするか


年金分割とは

年金分割のイメージ画像年金分割とは、離婚する際、夫婦が加入していた厚生年金・共済年金の保険料給付実績のうち、報酬比例部分(基礎年金部分は対象外とされています)について、多い方(多くは夫)から少ない方(多くは妻)へ分割する制度です。

年金分割には合意分割3号分割の2つがあります。実務上、重要なのは合意分割の方で、3号分割は実際にはほとんど行いません。

合意分割

和解のイメージイラスト合意分割とは、分割割合を夫婦の合意によって決めるものです。分割割合の上限は、50パーセント(半分)までとされています。

なお、分割の対象となるのは、夫婦双方の結婚期間中の標準報酬総額の合計額であり、夫婦の一方の対象期間標準報酬総額ではありません。

わかりやすいように、具体例で示すと、例えば、夫と妻の結婚期間中の標準報酬総額が分割前にはそれぞれ8000万円と2000万円であったとします。

この場合、案分割合を50%とすると、分割により夫から妻に割り当てるのは、4000万円ではなく3000万円となります。

夫婦双方の対象期間標準報酬総額の合計額(1億円)に対する、妻の分割後における対象期間標準報酬総額(5000万円)の割合が50%となるのです。

常に50パーセントの分割が認められるか。

裁判の流れのイメージイラスト合意分割は、制度上、その範囲が最大で50%であることから、例えば30%といった分割も可能なように思えます。

したがって、インターネットでも、当事者の合意により自由に決めることができるかのように記載されたサイトがほとんどです。

しかし、離婚裁判実務において、50パーセント以外の合意がなされることは非常に希です。なぜならば、案分割合で争いとなって、仮に審判へ移行した場合、裁判所は、ほとんど50パーセントとするからです。

したがって、基本的には50パーセントの分割となると考えてよいでしょう。

なお、別居期間が長期間に及んでおり、かつ、その原因がもっぱら請求者にあるような特段の事情がある場合は、審判においても50パーセント以下の案分割合が認められると思われますが、そのようなケースはほとんどないでしょう。

請求期限

カレンダーのイラスト年金分割は、必ず離婚と同時に行わなければならないわけではありません。

制度としては、離婚後2年以内であれば、請求が可能です。

もっとも、離婚後に、再度紛争となるのを避けるためにも、離婚の条件として同時に行なっておくべきです。

 

3号分割

悩む老夫婦のイメージイラスト3合分割とは、第3号被保険者の請求に基づいて、第3号被保険者期間について、第2号被保険者の厚生(共済)年金保険料の納付済み記録の2分の1を、第3号被保険者に分割する制度です。

第2号被保険者とは、
原則として、民間企業のサラリーマンや公務員、私立学校の教職員のことです。

第3号被保険者とは、
第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(例えば、専業主婦)で、年収が130万円未満の人のことです。

分割割合

3号分割の場合、合意分割と異なり、相手方(第2号被保険者)の同意は必要ありません。請求すると自動的に分割されます。また、分割割合は2分の1です。

対象期間

平成20年4月以降の第3号被保険者期間のみです。このため、婚姻期間のすべてが対象となる合意分割と比べて、メリットが少なく、実務上はあまり利用されていません。

請求期限

原則として、離婚日の翌日から2年です。

弁護士宮﨑晃画像年金分割は老後の生活を支える大切な権利です。年金分割については、多くの離婚問題を扱ってきた弁護士にご相談されてください。

 

 

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