不倫(不貞行為)の証拠の集め方


興信所の調査結果報告書

55dbbb266bd277ebc8a4287a8cb716b7_s不貞行為を行った相手方に慰謝料を請求する場合、その裏付け資料が必要です。その資料としては、興信所の調査結果報告書などがあげられます。報告書の中に、例えば、パートナーが不貞相手方とラブホテルから出てくる写真などがあれば、不貞行為の立証は簡単でしょう。

しかし、興信所に支払う費用は決して安くありません。興信所の費用は、調査に要した期間や人員数等によって開きがありますが、概ね数十万円から場合によっては百万円以上になることもあります。そのため、資金的に余裕がなければ、他の方法で立証せざるを得ません。

 

 

携帯電話等のメール

メールによる不貞の立証

172022パートナーが不貞行為を行なっている場合、パートナーと不貞相手方とのメールのやり取りから不貞行為が発覚することもあります。また、現在の裁判実務では、このようなメールのやり取りが証拠として提出されることは多くあります。

例えば、「エッチ気持よかった。」「またあのホテルに泊まりたい。」などのメールがあれば、不貞行為があったと認められるでしょう。このような不貞行為の存在をうかがわせるメールについては、例えば、相手方の携帯電話の画面にメールの内容を表示して、携帯電話ごと写真を撮っておいて、裁判の際に、その写真を証拠として提出する場合があります。

写真を撮る場合、メールの文字が識別できるように撮影することが重要です。せっかく写真を撮っても記載内容が不明であれば意味がないからです。

また、相手方の携帯電話に保存されているメールのデータを自分のパソコン等のメールアドレスに転送して、プリントアウトしたものを証拠として提出する場合もあります。

しかし、この場合、相手方やその弁護士からメールのデータであることから、編集された疑いがあるなどと反論されることもあります。

 

メールの盗み見は違法か

メールを不貞の証拠とする場合、ケースによっては、違法行為となることに注意しなければなりません。

例えば、相手方のメールを盗み見るために、相手方のパソコンに不正にアクセスすることは、不正アクセス禁止法に違反する場合があります。不正アクセスとは、ネットワーク経由で、利用権限のない外部のコンピューターに接続する(もしくは接続しようとする)行為を指します。

例えば、Aさんが、Bさんのメールサービスのユーザー名やパスワードを何らかの方法で知り、または推測して、自分のパソコンを使って、Bさんに成りすまして、メールサービスにログインする、という方法です。このような行為は、不正アクセス禁止法違反となり、刑事罰を受ける可能性もあります。

しかし、単に相手方の携帯のメールを盗み見したり、転送したりするだけであれば同法違反とはならないでしょう。

fa9ce01ed335c824e9fbf0ed9a20ea30_sもっとも、不正アクセス禁止法には違反しなくとも、盗み見行為が悪質な場合は、プライバシー侵害として、相手方から慰謝料を請求されることが考えられます。

ただ、まったくの第三者の携帯電話の内容を見る場合と違って、配偶者の携帯電話の内容は、不貞行為の証拠として裁判所で採用されることが多く、不貞行為を認定する際の決め手になることが多くあります。そのような場合、無断で携帯電話の内容を見たことがプライバシー侵害であるとして、慰謝料を請求されるケースは非常にまれといえるでしょう。

ただし、相手方の了解なく携帯電話の内容をみること、そしてそれを保存しておくことは、場合によってはプライバシーの侵害にあたり、慰謝料を請求される可能性があるということは、心にとめておいた方がよいと思います。

したがって、可能であれば他の証拠で不貞行為を立証できるようにしておくことが望ましいといえます。

 

 

SNSのやり取り

メールとともに、近年重要な証拠資料として、フェイスブック、ミクシィ、ツイッター、LINEなどのSNS上のやり取りがあります。その中でもLINEは、不貞行為に直接結びつく証拠となり得ることが多いといえます。

これは、LINEのトーク機能がメールと同じように、当事者だけのやり取りであることから、不貞行為をうかがわせる内容のやり取りがしやすいという特徴があるからだと思われます。

また、メールよりも操作が簡単なので、利用者が急増していることも背景にあると思われます。

しかし、LINEのやり取りを証拠とする上で、注意を要するのは、匿名性が高いということです。つまり、LINEは、アカウントに実名ではなくハンドル・ネームを使用している場合が多いため、相手方から当該やり取りが自分ではないと反論されると立証できない場合もあります。

メールをする女性のイメージ画像他方で、フェイスブックは実名であることがほとんどであり、そのような心配はあまりないのですが、ニュースフィードは基本的には公開されているため、不貞行為をうかがわせるようなやり取りは通常ありません。

また、親密な者同士がフェイスブック上ではメッセージのやり取りをあまり行わないため、不貞の決定的な証拠とはなりにくいといえます。ただ、フィスブックは、友達関係などが通常の設定では公開されていますので、パートナーの交友関係などを知る手がかりとはなります。

 

 

不貞相手方の写真

414d0980aaa531df9e224b342a0de375_sパートナーが不貞相手方との性交渉を行っている最中にスマートフォン等で撮影した写真が証拠として提出されることもあります。

近年は、パートナーがスマートフォンやパソコンに保存していた写真データをメールで転送するなどして、証拠として保存することも多く行われています。

これらは、直接不貞行為を立証するものとして証拠価値は非常に高いといます。

また、性交渉の場面ではなくても、不貞相手方の写真が証拠として提出されることは多くあります。この場合、その写真で不貞行為が立証できるかは内容しだいといえます。

例えば、不貞相手方の女性が裸にバスタオルを体に巻いている写真などは不貞行為を強く推認させると思います。

逆に、複数人で写っている写真に不貞相手方も写っている写真などは、ただの友人関係とも捉えることが可能ですので、それだけでは不貞行為の立証は難しいといえます。

 

 

ICレコーダー等

相手方の不貞行為が発覚して問い詰めた際、不貞行為を認めても、後々裁判となった場合、否認に転じることもよくあります。この場合、言った言わないの世界となり、裁判所は不貞行為を認定してくれません。

ICレコーダーのイメージ画像そこで、相手方が不貞行為を認めた際に、その会話をICレコーダー等で録音しておくという方法もあります。この場合、できるだけ具体的な内容を相手方に発言させるということがポイントとなります。

例えば、不貞開始の時期、不貞行為の期間、不貞行為の回数、不貞相手方の名前や職業、不貞相手方と出会ったきっかけ、不貞相手方がパートナーが結婚していることを知っていたかなどを押さえておけばよいでしょう。

 

 

不貞行為の場合の受診の要否

不倫のイメージイラストパートナーの不貞行為が発覚した場合、その配偶者が受けるショックは大変大きなものです。

不貞行為に基づく慰謝料請求とは、このような被害者が受けた精神的な苦痛を金銭に換算して損害賠償請求を行うものです。

したがって、理論的には被害者が受けた精神的な苦痛が大きければ大きいほど裁判所が認定する慰謝料の額は大きくなるはずです。そこで、精神的苦痛の大きさを立証するために、心療内科を受診し、診断書を証拠として裁判所へ提出する場合があります。

しかし、不貞行為の場合は、あえて証拠作りのために受診する必要はないというのが私見です。

弁護士小野佳奈子というのは、不貞行為に基づく慰謝料請求は、パートナーの不貞行為の事実が立証できれば、被害者の「精神的苦痛」の大きさを立証しなくても、ほぼ認められる傾向にあり、その相場もある程度は決まっているからです。

したがって、精神的苦痛の立証のためだけであれば、必要もない受診をあえてするまでもないと思います。
もちろん、大きなストレスを抱え、メンタル面で不調となっている方は、自分の健康のために決して我慢せずに早期に受診し、適切な治療を受けるべきです。

そして、そこまで大きな影響を受けている場合、裁判などでは主治医から診断書やカルテを取り寄せ、証拠として提出することもあります。

不貞行為の立証に必要な証拠については、具体的なケースに応じて変わってきます。

まずは、離婚問題に精通した弁護士にご相談されてください。

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不倫(不貞行為)と慰謝料