経営者(社長)が相手に事業を手伝わせていた場合、離婚を理由に解雇できるか?


雇用契約の場合

dd80cbd1f378d0dcf43f90a54af1ea66_s会社経営者が、配偶者を従業員として雇用している形態は多く見られます。

では、離婚する場合に相手を解雇ができるでしょうか。

解雇は使用者が雇用関係にある労働者に対して行うものであり、夫婦間の問題とはまったく別個です。

したがって、例えば、相手が不貞行為を行っていたとしても、そのことのみを理由に解雇することはできません。

また、勤務成績が悪いなどの理由により、解雇する場合についても慎重な判断が必要とされます。

すなわち、解雇については、労働契約法第16条によって、客観的・合理的な解雇事由があり、かつ、社会通念上相当と認められないかぎりは、解雇したとしても無効と判断されるからです。

ただ、相手の不倫相手が同じ就業場所の従業員であったような場合には、職場内の不倫関係を理由とする解雇を有効として裁判例もあるので、判断が分かれるところでしょう。

いずれにせよ、従業員として雇用している相手と離婚の話し合いをする際は、従業員としての地位の問題も一緒に解決する必要があることを念頭に置かないと、離婚の際に大きな障害になります。

 

 

相手を役員にしている場合

会社のイメージ画像会社経営者が、他方配偶者を会社役員にしているケースも多く見られます。

例えば、夫が代表取締役、妻が専務取締役などの例です。

この場合、社長である夫が、離婚を理由に妻の意に反して解任することができるでしょうか?

終身雇用を前提とした雇用契約の場合と大きく異なり、取締役と会社の関係は、委任契約であり、任期があります。

したがって、任期が経過し、再任されなければ、役員としての地位は失われます。

任期は、原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結のときまでです(委員会設置会社は1年)。

ただし、委員会設置会社以外の非公開会社においては、定款で10年以内の期間に伸張することができるため、定款の確認が必要となります。

解任については、株主総会の普通決議によって解任することが可能です。

したがって、夫が議決権の過半数を有していれば、基本的には解任することができます。

ただし、会社によっては、定款により普通決議を上回るように定めている場合もあるので、定款の確認が必要となります。

泣く女性社員のイメージイラストまた、解任のための正当な理由がない場合、妻は会社に対し損害賠償を請求することができます。

配偶者の一方が会社経営者である場合、上記したように”財産分与”や”解雇”など、多くの問題がついてまわります。

少しでも悩まれたり、わからないことがある場合には、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

なお、当事務所には、税理士資格を有する弁護士が在籍しており、税理士向けに「会社経営者に特有の離婚問題」セミナー等を開催する等、知識の普及に努めています。

クライアントにも会社経営者もしくはその配偶者の方が多く、会社経営者の離婚問題に精通した弁護士による法律相談が可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

 

 

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