医師・医者が相手に病院を手伝わせていた場合、離婚を理由に解雇できるか?


雇用契約の場合

db4d7fa8dba10034f90566a3dba6e584_s医者が、配偶者を従業員として雇用している形態は多く見られます。では、離婚する場合に相手を解雇できるでしょうか。

解雇は使用者が雇用関係にある労働者に対して行うものであり、夫婦間の問題とはまったく別個です。したがって、例えば、相手が不貞行為を行っていたとしても、そのことのみを理由に解雇することはできません。

また、勤務成績が悪いなどの理由により、解雇する場合についても慎重な判断が必要です。解雇については、労働契約法第16条によって、客観的・合理的な解雇事由があり、かつ、社会通念上相当と認められないかぎりは、解雇したとしても無効と判断されるからです。

ただ、相手の不倫相手が同じ病院の従業員であったような場合には、職場内の不倫関係を理由とする解雇を有効として裁判例もあるので、判断が分かれるところでしょう。

いずれにせよ、従業員として雇用している相手と離婚の話し合いをする際は、従業員としての地位の問題も一緒に解決する必要があることを念頭に置かないと、離婚の際に大きな障害になります。

 

 

相手を理事等にしている場合

394901e1acdfe7a00a97a420031a6342_s医療法人の理事長が、他方配偶者を理事や監事にしているケースも多く見られます。

例えば、夫が理事長、妻が理事などの例です。

この場合、理事長である夫が、離婚を理由に妻の意に反して理事を解任することができるでしょうか?

終身雇用を前提とした雇用契約の場合と大きく異なり、理事と医療法人の関係は、委任契約であり、任期があります。

したがって、任期が経過し、再任されなければ、理事としての地位は失われます。

任期は、医療法人の場合、2年以内です(医療法46条の2の3項)。

なお、平成19年4月1日施行の改正医療法施行前は、理事の任期について、法定されていませんでした。そのため、定款又は寄附行為によって、任意に任期の定めを設けていましたが、法改正により2年が最長となっています。

解任については、臨時社員総会を開催し、決議が得られれば、任期の途中でも理事を解任することは可能です。

決議は、総社員の過半数の出席し、出席社員の過半数の賛同が必要です。

しかし、正当な理由もなく解任した場合、解任から任期満了までの期間(最高で2年近く)の役員報酬を損害賠償として請求される可能性があります。

配偶者の一方が医師である場合、上記したように”財産分与”や”解雇”など、多くの問題がついてまわります。少しでも悩まれたり、わからないことがある場合には、離婚専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。

なお、当事務所には、税理士資格を有する弁護士が在籍しており、税理士向けに「医師に特有の離婚問題」セミナー等を開催する等、知識の普及に努めています。

クライアントにも医師若しくはその配偶者の方が非常に多く、医師の離婚問題に精通した弁護士による法律相談が可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

 

医師・医者に特有の離婚問題についてさらに詳しく!