弁護士コラム① 子どもの手続代理人―家事事件手続法施行―


幼い子供のイメージ画像平成25年1月1日に、「家事事件手続法」が施行されました。この法律は、離婚や親権などの手続についての法律である「家事審判法」を、時代に合わせた形にするため作り直したものです。

今回は、新たに導入された、「子どもの手続代理人」についてご説明したいと思います。

家事事件手続法では、子どもの地位の強化が図られました。家事審判法下における子どもの意見表明権の保証は不十分でした。

これに対し、家事事件手続法65条においては、家庭裁判所は子の陳述の聴取、調査官調査等により子の意思の把握に努め、子の年齢・発達の程度に応じ、その意思を把握するよう考慮しなければならないと定められたのです。

これに伴い、子どもの手続代理人という制度が新設されました。子どもの手続代理人とは、子どもが手続行為能力を有する審判・調停手続で、子どもに代わり手続を行う者で、裁判所や、両親など他の当事者から独立した立場で、裁判所での面接調査・意見聴取手続への動向、試行的面会交流の立ち会いなどを行います。

子供と話すイメージイラスト具体的には、子どもと直接面談し、これから行われる手続が何か、どのような段階か、進行の見通しなどを説明し、子どもの意思を把握したうえで、その主張を行っていくこととなります。手続代理人は弁護士が務め、子どもが自ら選任するか、必要な場合には裁判長が選任することもできます。

子どもの手続代理人は、裁判所から独立した地位を有するため、子どもとの自由なコミュニケーションを通して、その意見を聞くことができます。また、子どもの側から、手続代理人に質問をしたり、自分の考えを伝えたりすることもできます。

このように、手続代理人が積極的に家事手続に関与することによって、親権や面接交渉についての紛争において、子どもの意思がより尊重されるようになると期待されています。他方で、児童心理の専門家ではない弁護士が、子どもの意思を正確に汲み取ることができるのか、などの問題点も指摘されています。

裁判の流れのイメージイラスト新設されたばかりの子どもの手続代理人制度がどのように運用されていくのか、注目されます。

 

 


この記事を書いた人

弁護士 宮崎晃

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