弁護士コラム③ 上原さくらさんの離婚調停


1a727b891c09def83f329ddd7306a4bf_s先日、東京地方裁判所において、タレントの上原さくらさんと、建築関連会社社長との第1回離婚調停が開かれたというニュースが流れました。夫婦間に生じている亀裂は調停では埋められないほど大きいものであり、調停は1回で不成立となる可能性が高いとのことです。

離婚の方法は、大きく分けて3種類あります。今回の上原さん夫婦のような調停離婚、調停が不成立となったときに裁判所が離婚の是非を判断する裁判離婚、そして、話し合いによる協議離婚です。

調停離婚は、家庭裁判所において、調停委員2名(男女各1名)が間に入り、夫婦それぞれから話を聞き、ときには説得することで、離婚とその条件について、双方が納得できるような合意点を探っていく手続です。

当事者から話を聞くのは主に調停委員ですが、合意ができたときには、裁判官も参加して最終確認が行われ、合意の内容を調停調書という書面にまとめてくれます。この調停調書には、判決書と同じ強制力、強制執行力があります。また、裁判離婚をする場合には、訴訟提起の前に必ず1度は調停手続を経ておく必要があります。

時間のイメージ画像上原さん夫婦は、調停が不成立となった場合、裁判離婚に発展する可能性が高いと思われます。離婚訴訟は、訴え提起から終結まで平均して1~2年間という長期間を要するうえ、主張の書面化、当事者尋問といった大きな負担が当事者にはかかります。

また、上原さんのような有名人夫婦の場合には、メディアを通して主張の応酬が繰り広げられることで、当事者のイメージが大きく損なわれるおそれもあります。

報道にあるDVや浮気といった疑惑は、上原さんのタレントとしてのイメージを大きく損なう可能性がありますし、夫の会社社長も、今後の上原さんからの反論次第では、会社の社会的信用という面で大きなダメージを受ける可能性があります。

上原さん夫妻が、調停前の話し合いの段階において、代理人弁護士を選任していたという報道はありませんでした。協議の段階で、代理人として弁護士を選任していれば、もしかすると調停、裁判という事態は避けられたのかもしれません。

協議離婚は、当事者同士の話し合いによってしかできないと思われがちですが、弁護士を代理人とすることによって、弁護士と夫(妻)による話し合いによって進めることもできます。

協議離婚の時点で弁護士をつけておくメリットの1つには、感情的な対立が深まり、離婚はしたいがもう話したくもないと思っている夫(妻)と直接話さなくて済むという点があります。

また、離婚事件を豊富に経験している弁護士を代理人とすることにより、有利な離婚条件で、早期に離婚を成立させることができる可能性もあります。

弁護士バッジのイメージ画像上原さん夫妻に生じる上記のデメリットは、必ずしも有名人夫婦に限定されるものではありません。一般の方でも、裁判になった場合の負担は大きいですし、お勤めの会社で裁判の話が広がると居心地が悪く感じたり、会社によっては昇進が難しくなったりすることもありえます。

このようなデメリットを避けるためにも、離婚をお考えになった場合には、早い段階で弁護士に相談されることをおすすめします。


この記事を書いた人

弁護士 西村裕一

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