離婚コラム㉛ 夫も妻も浮気をしていた!ダブル不倫の場合、離婚請求は認められるのか?


LINEする女性ダブル不倫という言葉がメディアを賑わすことがあります。

これは、例えば、夫はA子さんという妻以外の女性と交際している一方で、妻は別のBという男性と交際しているという状態です。

より具体的に考えるために、以下の事例を挙げます。

 

 

事例

相談する女性のイラストX子さんは、Y男と結婚して幸せに暮らしていましたが、先日、Y男がA子と不倫しているのを発見してしまいました。

ショックを受けたX子さんは、友人のB男に相談しているうちに、B男と男女の関係になってしまいました。

B男のことを本気で好きになってしまったX子さんは、Y男と別れたいと思うようになり、正直にY男に打ち明けましたが、Y男は離婚を拒んでいます。

このような、X子さんからの離婚請求を裁判所は認めるのでしょうか。

 

 

弁護士の解説

六法全書X子さんからの離婚請求を根拠付ける離婚事由は、民法770条1項1号のY男の不貞行為になります。

民法で定められている離婚事由があるわけですから、一見、すんなりと離婚できるように思えます。

しかし、この離婚請求においては、Y男から有責配偶者の抗弁が主張されるでしょう。というのも、X子は、自らのB男との関係をY男に打ち明けているからです。

ここで、有責配偶者の抗弁とは、
「婚姻関係が破綻する原因を作った配偶者からの離婚請求は原則認められず、一定の要件を満たした場合にのみ認められる」
という判例法理に基づく主張です。

この事例においても、B男と不倫しているX子からの離婚請求は認められないことをY男は主張することが有力です。

仮に、X子が有責配偶者と認定されてしまうと、X子からの離婚請求が認められるためには、極めて厳しいハードルが課されることになります。多くの場合、よほど長期の別居を経ているなどの事情がないかぎり、離婚請求は棄却されることになるでしょう。

そこで、X子が有責配偶者にあたるかが本事例の主たる争点になることが予想できます。

離婚届と印鑑の画像結論からいうと、X子は、本事例では、有責配偶者とは認められず、離婚請求が認められる可能性は相当程度あると思われます。

というのも、この事例では、先に不倫をしたのはY男だからです。Y男が不倫しなければ、X子はB男と不倫関係にならなかったでしょうから、婚姻関係を破綻に導いた主たる責任はY男にあると裁判所は考えるわけです。

もっとも、X子からの離婚請求が認められたとしても、X子も不倫しているわけですから、離婚慰謝料は低額の判断になると思われます。

このように、双方が有責の場合には、婚姻関係を破綻に導いた主たる責任はどちらにあるのかという視点が重要です。

そして、それは法的な評価の問題ですから、専門家でなければなかなか適格な分析が難しいと思われます。

弁護士バッジのイラストダブル不倫の問題でお悩みの方は、離婚問題に詳しい弁護士にご相談することをおすすめいたします。

 

 


この記事を書いた人

弁護士 竹下龍之介

弁護士コラム一覧