弁護士コラム⑤ ストーカー規制法・DV防止法改正


国会議事堂のイメージ画像先月26日、改正ストーカー規制法と改正ドメスティックバイオレンス(DV)防止法(配偶者暴力防止・被害者保護法)が、国会で成立しました。両改正法とも今月上旬にも公布される見通しです。

改正ストーカー規制法においては、拒む相手に電子メールを繰り返し送信する行為についても、「つきまとい等」に加えたことが、今回の改正の最大の柱です。公布の20日後から施行されます。

現行法では、電話やファックスを送る行為を規制しているものの、電子メールの送信は直接的には規制の対象とされていなかったため、時代に合っていないのではないかという批判がありました。

また、昨年11月に神奈川県で起きた、女性刺殺事件では、元交際相手だった加害者男性が、事件前に1400通以上の電子メールを送りつけていたにもかかわらず立件が見送られていたこともあり、保護対象の拡大を求める声が高まっていました。

メールやFAXなどのイメージイラスト他の改正点としては、従来は、被害者の居住地の警察・公安委員会しか出せなかったつきまとい行為の禁止命令や警告を、加害者の居住地やストーカー行為があった場所の警察・公安委員会も出すことができるようになりました。さらに、警察や公安委員会に対して、被害者へ、加害者に警告を出した場合はその旨の速やかな通知、警告しなかった場合はその理由を書面で通知することを義務付けました。本年10月から施行予定です。

改正DV防止法においては、法律の適用対象が同居の交際相手に広がりました。来年1月に施行される見通しです。

女性を騙す男性のイメージイラストこれまで同法の適用対象は同居の夫婦間などに限定され、交際相手からDVを受ける、いわゆるデートDVのケースについては、接近禁止などの保護命令などで救済することができませんでした。しかし、内閣府の調査では、10代~20代の頃に、交際相手からデートDVを受けたことがあると答えた人の割合は、女性の14%、男性の6%となっており、深刻な被害状況となっています。また、一昨年11月には、長崎県西海市で、元交際相手から暴力を受けていた女性の親族が、元交際相手から刺殺されるといういたましい事件も起きています。
もっとも、先日起きた伊勢原市女性刺傷事件の加害者のような、離婚した元夫は適用対象に含まれていないうえ、保護命令の有効期間(6ヶ月)についても改正は行われていないことから、今後さらなる改正が待たれます。

警察庁によると、平成24年に把握されたストーカー被害は前年比36%増の1万9920件、加害者の摘発も同87%増の1855件で、いずれもストーカー規制法施行後、過去最多を記録しています。

監視される女性のイメージイラストまた、内閣府が平成23年に行った調査では、配偶者からDVを一度でも受けたことがあると答えた人の割合は、女性の33%、男性の18%にものぼっているとのことです。
今回の法改正が、つきまとい行為やDVで苦しむ方々の救済へ向けた大きな一歩となることを期待したいです。

 

 


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