弁護士コラム⑥ 改正DV防止法施行 恋人間の暴力も適用対象に


改正の概要

DVのイメージ画像「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律」が平成26年1月3日に施行されました。

これまで、DV防止法は、夫婦間、離婚した夫婦間、事実婚カップル間の暴力のみを対象としていました。

すなわち、10代から20代を中心に深刻化している、恋人間の暴力(いわゆる「デートDV」)に対して、DV防止法は適用がなかったのです。

しかし、交際相手からの暴力が社会的に問題となっており、被害者やその親族が殺害されるという痛ましい事件も生じている中で、配偶者暴力防止法の対象拡大が被害者及びその支援者団体から求められてきました。

特に、被害者と加害者が同居している事案については、ストーカー規制法による禁止命令の適用が難しいとされており、日時の特定や証拠の収集が困難な場合があることから刑法の傷害罪・暴行罪による事件化も困難なケースがあるなど、迅速な被害者救済を図ることが難しいのが実情となっていました。

DVのイメージイラストそして、共同生活の実態により外形的・客観的に判断されるべきものと考えていますが、補充的に意思的要素も考慮されることもあると考えられます。
なお、具体的な判断に当たっては、住民票の記載、賃貸借契約の名義、公共料金の支払名義等の資料から認定することができる場合はもとより、そのような資料が存在しない場合であっても、写真、電子メール、関係者の陳述等から生活の実態を認定し、「生活の本拠を共にする」と判断することになると思われます。

 

事実婚との違いとは?

婚約指輪のイメージ画像改正前のDV防止法においては、「配偶者」には「婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む」と定めています(1条3項)。いわゆる法律婚と事実婚の違いについては、「婚姻意思」「共同生活」「届出」のうち、「届出」がないものが事実婚として整理されるのが一般的です。

今回、対象となった「生活の本拠を共にする交際相手」については、さらに「婚姻意思」も認められない、「共同生活」のみを送っている場合を想定したものです。

したがって、共同生活を送っているが「婚姻意思」が認定されないために、「事実婚」としての救済対象とならなかったケースが、今回新たに保護の対象となるものとなります。

 

 


この記事を書いた人

弁護士 宮崎晃

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