弁護士コラム⑦ ハーグ条約が発効しました


外務省のイメージ画像平成26年4月1日、ハーグ条約(「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」)が、我が国においても発効しました。

ハーグ条約には、アメリカ、EU全加盟国、カナダ、韓国などおよそ90か国が現在加盟しており、加盟国は増え続けています。

ハーグ条約の発効により、平成26年4月1日以降、加盟国と日本の間で起きた子どもの連れ去りや、面会交流事件については、ハーグ条約に基づいた処理が行われることになります。

 

ハーグ条約の概要

ハーグ条約においては、
1 国境を越えた子の連れ去り・留置が行われた場合、生活基盤の急変などのリスクを伴うこと、監護権についての判断は子の元の居住国で行われるべきことなどを理由に、以下の5つの要件をすべて満たす場合には、原則として元の居住国に子どもを返還することが義務付けられています。

考える子供のイメージイラスト① 子が16歳に達していないこと
② 子が条約締約国に常居所(生活の本拠として生活していた場所)を有していたこと
③ 常居所地国の法令によれば、連れ去り又は留置が、残された親の子に対する監護権を侵害するものであること
④ 不法な連れ去り・留置の時点で、常居所地国と連れ去られた先(日本)の国の双方で、ハーグ条約が発効していること
⑤ 子が日本に居住していること

2 また、子の利益を図るべく、国境を越えて、別々の国に離れて居住する親と子の面会交流を支援することを、加盟国に対し、義務付けています。

 

返還請求事件の手続

家庭裁判所のイメージイラスト子を連れ去られた側の親は、ハーグ条約に基づいて、東京家庭裁判所もしくは大阪家庭裁判所に、子どもの返還請求を行うことができます。

これに対し、子を連れ去ったとされる側の親は、一定の、返還を拒否できる事由を主張・立証して対抗することになります。

返還請求事件の審理期間はきわめて短く、申立てからわずか6週間で結論が出されることが想定されています。

裁判の流れのイメージイラスト特に、子を連れ去ったとされる方の親は、短期間で、返還を拒否できる事由を主張立証する必要にせまられますので、ハーグ条約に詳しい弁護士に早期に相談する必要があるでしょう。

返還を拒否できる事由や、返還請求事件の流れなど、ハーグ条約に関するより詳しい解説については、こちらをご覧ください。


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