1.財産の調査と評価のポイント

シリーズ:医師・医者特有の離婚問題



解説

こんにちは。弁護士の宮崎です。

ここでは医師特有の離婚問題について解説致します。

第1回は、財産の調査及び評価の方法についてです。

通常、財産分与では、以下の①から⑦のような財産が対象と考えられます。

①不動産(自宅等)
②動産(家財道具等)
③預貯金
④保険(生命保険や学資保険など、貯蓄型のもの)
⑤有価証券(出資等)
⑥自動車
⑦退職金(将来受け取るもの)

医師の場合、一般世帯以上に資産を有していることが多いため、まずは上記の財産を正確に把握する
ことが重要となってきます。

特に、医師の場合、②動産(家財道具等)、⑤有価証券(株式等)、⑦退職金(将来受け取るもの)
について、注意が必要ですので、ここではこの点に絞ってご説明します。

 

動産(家財道具等)

動産は、通常は時価評価額は乏しく、財産分与については、あまり問題となりません。
一般世帯では、問題となったとしても、夫婦のどちらが希望の家財道具(例えば、テレビ、タンスなど)を手に入れるか、というレベルです。
しかし、医師の場合、夫婦の一方が、高価な時計、宝石等の貴金属を保有している場合が見られます。
したがって、これらを忘れることなく、対象財産に含めることが必要です。
そして、これらを適切に時価算定しなければなりません。

 

有価証券(出資等)

有価証券については、当事者が保有する株式等が対象となってきますが、医師の場合、自らが経営する医療法人への出資も、財産分与の対象となり得ます。
また、例えば、夫が医療法人の理事長で、妻を理事としている医療法人の場合、夫だけではなく、妻も名目上、出資しているケースが多くあります。
このような場合は、夫名義の出資だけではなく、妻名義の出資も財産分与の対象となり得ます。
しかも、医療法人への出資は、1口あたりの評価額が高額になることもあります。
また、医師は出資口数が多いことがほとんどであるため、出資だけでも莫大な財産となります。
したがって、医師の出資については、必ず対象財産に含める必要があります。
また、医師の場合、ゴルフを趣味とされている方が多くいらっしゃいますが、ゴルフ会員権等も対象となるので注意が必要です。

 

退職金

医療法人の理事長は、あくまで役員であり、従業員ではないことから、退職金がないと誤解されている方もいらっしゃいます。
しかし、医療法人の場合、将来、理事が退任するときに退職金を支給するために医療法人を契約者、理事を被保険者として保険(長期平準定期保険や逓増定期保険等)を掛けていることが多く見られます。
医療法人がこのような形で保険を掛けているのは、節税目的が大きな理由です。
しかも、理事の退職金の額は、かなり高額になります。
そのため、退職金も財産分与の対象とすることを忘れないようにしなければなりません。

 

 

上記のような財産について、その存在を調査したり、評価するには、高度な専門的知識が必要となります。

したがって、離婚問題を専門とし、かつ、財産分与を得意とする弁護士にご相談されることをおすすめします。

次回は、財産分与の割合についてご説明致します。

 

 



医師・医者特有の離婚問題

1.財産の調査と評価のポイント 

2.財産分与の割合は? 

3.婚姻費用や養育費の算定方法は? 

4.相手に病院を手伝わせていた場合は解雇できるか? 



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