1.財産の調査と評価のポイント

シリーズ:会社経営者特有の離婚問題



解説

こんにちは。弁護士の宮崎です。

ここでは会社経営者特有の離婚問題について解説致します。

第1回は、財産の調査及び評価の方法についてです。

通常、財産分与では、以下の①から⑦のような財産が対象と考えられます。

①不動産(自宅等)
②動産(家財道具等)
③預貯金
④保険(生命保険や学資保険など、貯蓄型のもの)
⑤有価証券(株式等)
⑥自動車
⑦退職金(将来受け取るもの)

会社社長等の場合、一般世帯以上に資産を有していることが多いため、まずは上記の財産を正確に把握することが重要となってきます。

特に、会社社長等の場合、②動産(家財道具等)、⑤有価証券(株式等)、⑦退職金(将来受け取るもの)について、注意が必要ですので、ここではこの点に絞ってご説明します。

 

動産(家財道具等)

動産は、通常は時価評価額は乏しく、財産分与については、あまり問題となりません。
一般世帯では、問題となったとしても、夫婦のどちらが希望の家財道具(例えば、テレビ、タンスなど)を手に入れるか、というレベルです。

しかし、会社社長等の場合、夫婦の一方が、高価な時計、宝石等の貴金属を保有している場合が見られます。

したがって、これらを忘れることなく、対象財産に含めることが必要です。

そして、これらを適切に時価算定しなければなりません。

 

有価証券(株式等)

有価証券については、当事者が保有する株式等が対象となってきます。

また、会社社長の場合、自らが経営する会社の株式も、財産分与の対象となり得ます。

さらに、例えば、夫が会社の代表者で、妻を役員としている会社の場合、夫だけではなく、妻も株式を保有しているケースが多くあります。

このような場合は、夫の株式だけではなく、妻の株式も財産分与の対象となり得ます。

しかも、同族会社等の場合、1株あたりの評価額が高額になることもあります。

また、経営者は過半数の株式を保有していることがほとんどであるため、株式だけでも莫大な財産となります。

したがって、経営者の自社の株式については、必ず対象財産に含める必要があります。

また、経営者の場合、ゴルフを趣味とされている方が多くいらっしゃいますが、ゴルフ会員権等も対象となるので注意が必要です。

 

退職金

会社社長は、あくまで役員であり、従業員ではないことから、退職金がないと誤解されている方もいらっしゃいます。

しかし、経営が順調な会社の多くは、将来、役員が退任するときに退職金を支給するために会社を契約者、社長を被保険者として保険(長期平準定期保険や逓増定期保険等)を掛けていることが多く見られます。

経営が順調な会社がこのような形で保険を掛けているのは、節税目的が大きな理由です。

しかも、経営者の退職金の額は、かなり高額になります。

そのため、退職金も財産分与の対象とすることを忘れないようにしなければなりません。

 

 

上記のような財産について、その存在を調査したり、評価するには、高度な専門的知識が必要となります。

したがって、離婚問題を専門とし、かつ、財産分与を得意とする弁護士にご相談されることをおすすめします。

次回は、財産分与の割合についてご説明致します。

 

 



会社経営者特有の離婚問題

1.財産の調査と評価のポイント 

2.財産分与の割合は? 

3.婚姻費用や養育費の算定方法は? 

4.相手に事業を手伝わせていた場合に解雇できるか? 



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