子どもを連れて実家へ帰った妻に対して、子の引き渡し、監護者指定の審判を申立てたのですが、認められませんでした。結果に納得がいかないので、不服を申立てたいのですが、いつまでに行えばよいでしょうか?

手続きについてよくある相談Q&A

A) 子の引渡し・監護者指定の審判に対しては、即時抗告という不服申立ての方法があります。

083787この即時抗告は、2週間以内に行わなければなりません(家事手続法85条1項)。

ただ、この2週間については、起算日や終了日が土日などの場合に混乱することがよくあるため、くわしくご説明いたします。

まず、2週間の起算日については、審判書謄本を受け取った日の翌日から起算すると考えてもらって結構です。

詳しく説明しますと、家事手続法には次のように記載されています。

「即時抗告の期間は、特別の定めがある場合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。」(法86条2項)

ここで、「審判の告知」は通常「特別送達」で行われます。

特別送達というのは、封書に「特別送達」と表示され、郵便職員から名宛人に直接手渡される郵便のことです。この郵便物の中に「審判書謄本」が入っています。

審判書謄本には、子の引渡し・監護者指定の申立てに対する裁判所の判断とその理由が記載されています。

なお、受取人が自宅にいなくて不在者伝票が入っていた場合でも、あくまで実際に受け取った日の翌日から起算します。不在伝票を見ても、中身を知ることができないからです。

さて、次に、どうして審判書を受け取った日ではなく、その翌日と考えるかですが、少し話しが難しくなります。

まず、家事手続法34条4項は、民事訴訟法という法律の94条から97条までを準用しています。

(参照条文)
家事手続法第34条4項
民事訴訟法第九十四条 から第九十七条までの規定は、家事事件の手続の期日及び期間について準用する。

次に、民事訴訟法95条1項は、「期間の計算」については民法によると定めています。

(参照条文)
民事訴訟法95条1項
期間の計算については、民法の期間に関する規定に従う。

そして、民法の条文を見ると、週によって期間を定めたときは、期間の初日は算入しないと規定されています。

(参照条文)
民法第140条
日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。

即時抗告の期間は、2週間と定められているので、「週によって期間を定めたとき」に該当し、初日は除くことになるのです。

なお、民法140条をよく見ると、「ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」と定めてあります。これは、午前0時0分0秒ピッタリに審判が来謄本を受け取ったら、翌日ではなく、その日から進行することになるという意味ですが、これが現実に起こることはほぼありません。

以上から、2週間の起算日については、審判書謄本を受け取った日の翌日から起算すると考えてもらって大丈夫です。

次に、2週間の終期についてですが、具体例でご説明します。

例えば、1月7日水曜日に審判書謄本を受け取った場合です。

前述したように、この場合、起算日は翌日の1月8日木曜日となります。

2週間の終期は、1月21日の水曜日となります。

これは、民法に規定があります。

すなわち、民法第143条2項には「週の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週においてその起算日に応答する日の前日に満了する」とある。

この規定によれば、1月7日木曜日が起算日であれば、2週間の期間は、起算日に応答する日(1月22日木曜日)の前日である1月21日(水曜日)ということになります。

(参照条文)
民法第143条2項
週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。

ただし、終期が土日などの場合は注意が必要です。

この場合、民事訴訟法第95条3項により、終期は月曜日となります。

(参照条文)
民事訴訟法第95条3項
期間の末日が日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律 (昭和二十三年法律第百七十八号)に規定する休日、一月二日、一月三日又は十二月二十九日から十二月三十一日までの日に当たるときは、期間は、その翌日に満了する。

例えば、1月10日土曜日に審判書謄本を受け取ったとします。

その場合、起算日は1月11日日曜日となります。

2週間後の応答する日(1月25日日曜日)の前日の満了によって終了すると考えると1月24日のように思えますが、その日は土曜日なので、民事訴訟法第95条3項が適用され、翌日である1月26日月曜日に確定するということになります。

以上のように、提出期限の判断は素人の方には難しいといえます。

正確な提出期限をお知りになりたい場合は、弁護士にご相談されることをおすすめします。

 

 


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