交通事故で支払われた保険金は、財産分与の対象となるでしょうか?

財産分与についてよくある相談Q&A

 

悩む女性のイメージイラスト結婚期間中に、夫が交通事故にあったことで支払われた損害保険金については、財産分与の対象となるでしょうか。

弁護士の回答

裁判のイメージイラスト裁判例の中には、損害保険金のうち、自賠責保険から支払われた部分について、「実質的に考えれば婚姻中の夫婦の生活の原資となるべきもの」であるとして、保険金全体を財産分与の対象としたものがあります(大阪地判S58.9.8)。

一方で、交通事故により高次脳機能障害という重い後遺障害が残った場合に、被害者が得た賠償金を財産分与の対象としないとした裁判例もあり(東京高判H12.3.9)、事案によるといえます。

また、損害保険金の保険金の項目ごとに、財産分与の対象となるかどうかを判断した裁判例もあります。

小倉オフィス所長弁護士西村裕一画像保険金のうち、傷害慰謝料や後遺障害慰謝料については、交通事故にあった夫が受傷し、入通院治療を受け、後遺障害が残ったことによって被った精神的苦痛を慰藉するために支払われるものです。そのため、これらの慰謝料については、妻が寄与して獲得したものではなく、財産分与の対象とならないとされています。

もっとも、逸失利益(事故により負った傷害や後遺障害がなければ、得ることができていたはずである収入等)の部分については、夫の労働による対価を算出して現在の額に引きなおして計算されるものです。そして、夫が労働する際には、その期間中の配偶者による寄与が想定されているとして、財産分与の対象となるとした裁判例があります(大阪高決H17.6.9)。

 

 


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