親権問題に強い福岡の弁護士をお探しの方へ

目次
親権とは
未成年の子をもつ夫婦が離婚するためには、夫婦の一方を親権者として指定することが必要となります。
親権とは、未成年の子どもを保護・養育し、子どもの財産を代わりに管理する親の権利をいいます。
親権は、具体的には、
身上監護権(子どもの身のまわりの世話や、しつけ、教育をすること)と財産管理権(子ども名義の預貯金などの財産を管理すること)、そして法定代理権(子どもが何らかの契約の当事者となる場合、子を代理して契約を締結すること)という3つに分けられます。
親権の問題では、以下の点を参考に今後の見通しを立ててください。
親権についての判断基準を押さえる
親権を希望する場合、裁判所がどのような判断基準で親権者を指定するか押さえておく必要があります。
一般に、親権者の指定において、考慮すべき具体的事情としては、
父母の側では、監護に対する意欲と能力、健康状態、経済的・精神的家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、実家の資産、親族・友人等の援助の可能性などであり、子どもの側では、年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、子ども本人の意向などがあげられています。
そして、実際の裁判では、次の諸原則が重視されて親権者が指定されています。
監護の継続性(現状尊重)の原則
継続性の原則とは、子どもの現在の生活環境に特段問題がないのであれば、現状を尊重し、生活環境を急激に変化させないようにしようという考えです。
この原則は、現実に形成されている親子の心理的な結びつきを重視するもので、養育者を変更することは、子どもへの心理的不安定をもたらす危険があるということを根拠においています。
母性優先の原則
母性優先の原則とは、これまで主として監護してきた方(母親的な役割を果たしてきた方)が親権者として優位性があるという考え方です。
したがって、父親であっても、これまで育児に積極的に関わっていたのであれば、親権者となれるチャンスがあるのです。
この原則が「女性」という言葉ではなく「母性」という言葉が使われているのは性別が関係ないということを表しています。
主たる監護者であったか否かについては、例えば、これまで子どもの食事を作ったり、食べさせたりしていたのは誰か、入浴はどちらが行なっていたか、遊んでいたのは誰か、学校の送り迎えは誰が行なっていたか、寝かしつけていたのは誰か、家庭内でのしつけを行なっていたのは誰かなどを総合的に考慮し、判断します。
日本では通常、父親がメインで働いて収入を得る役割で、母親は子どもが小さいうちは専業主婦として、若しくは短時間労働程度で子育ての役割に徹しています。
したがって、多くの場合、女性が有利となります。
しかし、最近は父母が同じくらい働き、若しくは母親がメインで働く家庭も増えていますので、父親が主たる監護者である場合も見られます。
子どもの意志尊重の原則
子どもが15歳以上の場合、裁判所は、親権者を指定するにあたって、子ども本人の意向を聴かなければなりません。したがって、当然、子どもの意向は尊重されなければなりません。
また、子どもが15歳未満の場合でも、裁判実務は子どもの意向を重視しています。
もっとも、子どもが幼い場合、多くの事案では父母の両方が大好きであり、どっちについて行きたいかを選ぶことなどできません。
仮に、どちらかを選べたとしても、幼い子どもは身近にいる者の影響を受けやすく、また、言葉と真意が一致していない場合もあります。
そこで、幼い子どもの親権をめぐる紛争では、家庭裁判所調査官が子どもと面談する等して、子どもの発達段階に応じた評価を行なっています。この調査官という人たちは、家庭裁判所の職員であり、児童心理等の専門家です。
きょうだい(兄弟姉妹)不分離の原則
きょうだいはできるだけ分離すべきではないという原則です。
これは、きょうだいは一緒に生活した方が情緒が安定する、人格形成にも役立つ、といったことを根拠とする考えです。
しかし、この原則は形式的に適用すべきではないと考えられます。
例えば、ある夫婦が2年前から別居しており、兄(7歳)は父親と同居し、父親が主として監護しており、弟(2歳)はまだ乳幼児であるため、母と同居し、母が主として監護しているケースを想定しましょう。
この場合、弟は乳幼児であるから母が親権者としてふさわしいと判断した場合、兄についても、この原則を重視すると、母が親権者と判断されます。
もっとも、兄と弟の同居期間が短いような場合、そもそもきょうだいの結びつきが弱いといえます。そのような場合、子どもの意向を重視して、兄の親権を父親に認めることも十分考えられます。
親権の判断基準において、有責性は考慮されるか?
例えば、妻の不貞行為が原因で離婚しなければならなくなった場合、妻を親権者としてよいかという問題があります。このような場合に妻が親権者となることに対して、夫としては、裏切られたあげく、子どもまで取られてしまうという結果に納得できるものではありません。
しかしながら、裁判実務上、相手方の有責性と親権者の判断は別物と考えられています。
したがって、妻の不貞行為を理由に親権者としてふさわしくないという主張は基本的には認められません。
もっとも、不貞行為が子どもの監護にも害をもたらしていたような場合は、そのことをもって親権者としてふさわしくないという主張は可能です。例えば、妻が育児を放棄して、不貞行為の相手方と合うなどしていたような場合です。
親権を取得するための留意点
親権を争う場合、「親権者指定の判断基準を押さえる」で解説した諸原則が適用されることを前提に、自分が親権者と判断してもらえるかどうかについて、見通しを立てるということが大切です。
決して感情的に行動してはいけません。まずは離婚にくわしい弁護士に相談すべきです。
なぜ、感情的に行動するといけないのか、イメージしていただくために事例をもとに解説いたします。

この事例は、親権の争いが起こっていますが、Cさんが敗訴した決定的な要因は、Cさんが子どもを残して独りで実家へ帰ったことです。
すなわち、親権の判断において、裁判実務では、現在の監護状況をできるだけ尊重する方向にあります。これを継続性の原則といいます。
訴訟で親権を争うと、判決までに長期間を要します。訴訟の平均審理期間は1年2ヶ月ほどです。その前に調停も行なっていますから、別居から判決まで2年以上経過していることがほとんどです。
つまり、判決の時点で、長期間、夫が子どもを単独で監護しているという既成事実ができるのです。そのため、裁判では夫に親権が認められたのです。
この点、Cさんは、別居したのは夫のモラハラから逃れるためであり、あくまで一時的に避難するつもりだったとの反論がされました。
しかし、夫はモラハラの存在について、否認しました。
モラハラの立証責任は、それを主張するCさん側にあります。モラハラは目に見えない暴力と言われており、立証することがとても難しいものです。
また、モラハラ加害者は、自分自身に非がないと思っていることが多く、裁判等ではモラハラについて認めることはほとんどありません。
上記の事例は、相手方と離れたいという気持ちを優先し、別居してしまったために親権を取得できなかった例です。
すなわち、この事例では、上記親権者指定の諸原則の「継続性の原則」が重視されたのです。
形勢逆転が可能かどうかの見極め
仮に、上記の諸原則を自分に当てはめた場合に、分が悪いようであれば、次に、形勢逆転が可能かどうかを見極めます。
具体例として、自分と相手方を比較した場合、どちらかと言えば、相手方のほうが子どもの面倒を見ていたというケースを例に上げてみます。
このようなケースは、男性側のご相談で多く見られますが、「母性優先の原則」からすると、主たる監護者は相手方であったと認定されるため、親権を取得するのは困難です。
このようなケースにおいて、形成を逆転する方法は、二つ考えられます。
自分が主たる監護者となる
一つ目は、自分が主たる監護者となるという方法です。
しかし、これには仕事を辞めるなどの思い切った行動が必要です。
また、主たる監護者であったか否かは子どもの生育歴を全体的に見て評価されますので、長期間を要します。したがって、自宅で仕事をしている自営業者の方などでないかぎり、現実的には難しいといえるでしょう。
相手方だけが別居しているという状況が形成されている
二つ目は、相手方だけが別居しているという状況が形成されているということです。
これには、
①自分が子どもを連れて自宅を出るというパターンと、
②相手方が自分と子どもを置いて自宅を出る
という、二つのパターンが考えられます。
①については、相手方の承諾がない場合、違法な子どもの連れ去りとして、相手方から引渡しの請求がなされるおそれもあります。
したがって、このパターンでは、相手方の同意を文書でもらっておくことが無難です。
②については、特に心配な点はありません。
後になって、相手方から、「無理やり追い出された。」という主張がなされることがありますが、この場合、無理やり追い出されたことについて、立証責任を負っているのは、相手方と考えられるからです。
このようにして、相手方だけが別居し、自分が子どもと生活している状況が相当期間経過すれば、監護の継続性という観点から親権を取得できる可能性は高くなります。
現状において、親権者と判断される可能性が低く、かつ、形勢逆転も困難であれば、親権を諦めるか、離婚を諦めるかの選択をしなければなりません。後で後悔しないように十分に考えてから決断すべきでしょう。
親権については、できるだけ多くの親権問題を扱ってきた弁護士にご相談されてください。
当事務所の弁護士は、離婚について圧倒的な相談実績を誇っています。一人で悩まずにお気軽にご相談ください。
親権の問題点
当事務所には、親権について、ご相談に訪れる方がたくさんいらっしゃいます。
多くの解決実績を誇る、本物の離婚弁護士だからこそ感じている親権の問題点について、解説いたします。

しかし、個別具体的な事案において、親権を取得できるか否かについて適切に判断するのは、親権問題に精通した弁護士ではないと難しいと考えられます。
例えば、親権についての判断基準のうち、「監護の継続性」は重要な要素ですが、具体的にどの程度継続していれば有利となるのか、判断するのは簡単ではありません。
また、相手方が監護の継続性について争うことが予想される事案の場合、立証可能かどうかについても検討しなければなりません。
このような判断は、親権についての専門知識と豊富な経験を有する離婚専門の弁護士以外では難しいといえるでしょう。

また、親権について双方とも希望している場合、子どものために必死となって、泥沼の争いとなる傾向です。

親権の取得を希望されるのであれば、親権問題に精通した弁護士に相談しながら進めていくことをお勧めします。

しかし、裁判手続は、とても時間がかかります。ケースにもよりますが、調停段階を加えると、解決までの期間が数年間に及ぶ可能性もあります。
また、現状として、相手方が子供を監護している状況では、長期化することで相手方の監護実績が形成されてしまい、ますます不利になってしまいます。
そのため、裁判での紛争はできるだけ避けたほう良いでしょう。
プロの離婚弁護士はここが違う!当事務所の親権獲得サポート
当事務所の離婚事件チームは、親権を獲得するために、以下のサポートを行っています。
専門チームによる親権相談
親権を獲得するためには、親権問題についての専門知識やノウハウが必要です。
ところが、福岡はもちろん、全国的にみても、離婚問題を専門とする弁護士は決して多くありません。
当事務所では、親権に悩む方々を強力にサポートするために、親権問題については、離婚事件の専門チームに所属する弁護士が対応しています。
親権問題のプロフェッショナルがご相談者様の状況に照らして、裁判になったときの親権取得の見通しや、親権を獲得するための、今後の戦略(進め方)について、わかりやすく助言いたします。
監護者指定・子の引渡しの審判サポート
親権を獲得するために、通常思い浮かべるのは「裁判」で戦うことです。
しかし、離婚の裁判は、判決が出るまでに長年月を要します。
相手方が子どもを監護している場合、裁判で戦っている期間の分だけ、相手方の監護実績が出来上がってしまいます。
そのため、当事務所の離婚弁護士は、裁判手続ではなく、「監護者指定・子の引渡しの審判」という手続を申立てることをご提案しています。
この手続は、裁判ほど時間がかからず、離婚成立までの監護者を指定し、監護者の指定を受けたら子どもの引き渡しを受けることが可能です。「離婚成立まで」という制限があり、前哨戦のようなイメージもあります。
しかし、この手続によって監護者と指定されると、後々裁判で親権を争ったとき、敗訴する可能性は極めて低くなります。なぜならば、裁判で戦った期間、自分が監護者として子どもを育てる実績が積み上がるからです。
したがって、監護者指定の審判は、事実上、親権を獲得するための重要な手段となります。
面会交流あんしんサポート
仮に、親権の取得が困難な場合、次善の策として、面会交流を充実させることも検討すべきです。
なぜならば、子どもの健やかな成長のためには、両方の親のサポートが重要だからです。
親権者となることができなくても、「親」であることには変わりがありません。当然、子どもと面会交流する権利があります。
当事務所の離婚弁護士は、仮に親権を獲得できない場合、面会交流を充実させるための様々な取り組みを行っています。
親権は、子どもの将来に重大な影響を及ぼします。
当事務所の離婚弁護士は、「子供の将来のため」という視点から、親権について、強力にサポートいたします。
親権についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。