離婚後受給できる手当や扶助【離婚弁護士が解説】

掲載日:2015年9月15日|最終更新日:2019年7月3日

母子家庭への各種手当や扶助の重要性

悩む女性離婚を考えたとき、「離婚して食べていけないのでは・・」「子供を育てることができない」などの不安を抱える方がほとんどです。

特に、女性の場合、一般的に男性よりも収入が少ないため、離婚後の生活に対する不安から、離婚を諦めてしまう方もいます。

きょうだいしかし、離婚した場合、夫(子の父親)から養育費等の財産給付の他にも、地方自治体等の各種手当(児童扶養手当など)、税制上の優遇措置等があります。

これらの情報は、離婚を考えたとき、とても重要です。

すなわち、離婚後の生活に不安を感じる原因は、情報が少ないからです。

離婚後、どの程度の収入を得ることができるか、ある程度正確な数字を知ることができれば、不安はなくなるでしょう。

弁護士そこで、このページでは、弁護士、税理士、ファイナンシャル・プランナーの資格を有する専門家が離婚した後にもらえる各種手当や活用できる制度について、わかりやすく解説します。

※公的援助は、市区町村によって異なり、また、政策によって流動的なものもありますので、詳細は市区町村役場の窓口に問い合わせをして下さい。ここでは目安として記載させて頂きます(2019年7月1日現在)。

 

 

児童扶養手当

児童扶養手当(母子手当)とは

これは離婚等の場合に子どもを養育する母(父)に対し、支給される手当です。

かつて、「母子手当」と呼ばれていたものですが、法改正により父親であっても受給可能となりました。その際、手当の名前も児童扶養手当となりました。

子どもが18歳に到達して最初の3月31日(年度末)まで(子どもが特別児童扶養手当を受給できる程度の障害にある場合、20歳に到達するまで)の間、受給できます。

したがって、高校を卒業するまでは受給できるものです。

なお、離婚が成立していなくても、相手方配偶者から引き続き1年以上遺棄されている場合も受給できます。

具体的には別居して、相手方に生活費(婚姻費用)を請求しても、支払ってもらえず、別居から1年が経過したような場合です。

また、DV被害が深刻化する中、平成24年8月の法改正で、裁判所からのDV保護命令が出た場合も受給できるようになりました。

 

児童扶養手当の支給額

支給額は、養育者の所得や子供の数によって異なります。

また、所得が多くなると、もらえる額が制限され、一部受給となり、一定の所得限度額を超えると受給できません。

子供の数 全部受給できる場合 一部受給できる場合
1人 月額4万2910円 月額1万0120円~4万2900円
2人 月額5万3050円 月額1万5190円~5万3050円
3人 月額5万9130円 月額1万8230円~5万9130円
4人以降 1人につき月額6080円加算 月額3040円~6070円を加算

※2019年7月1日現在

所得の限度額(2018年8月~)

子供の数 全部受給 一部受給
1人 87万円 230万円
2人 125万円 268万円
3人以降 163万円 306万円

支給額は物価等により毎年見直しがあります。

また、所得額の算出は複雑なので、詳しくはお住まいの市町村役場の窓口までお問い合わせください。

 

児童扶養手当の支給の時期

児童扶養手当の支払いは、奇数月(1月、3月、5月、7月、9月、11月)に2か月分ずつ、年6回支払われます。

例えば、5月支払いの手当は、3月~4月の2か月分の手当が支給されます。

※児童扶養手当は従来、4か月分ずつ年に3回行われていましたが、法改正が行われ、2019年11月分からは上記のとおりとなりました。

 

 

児童手当

児童手当とは

児童手当は、中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に対し、支給される手当です。

 

児童手当の支給額

児童手当の支給額をまとめると下表のようになります。

子供の年齢 子供1人当たりの月額
3歳未満 15,000円
3歳から小学生 第1子、第2子 10,000円
第3子以降 15,000円
中学生 10,000円
所得制限限度額以上の方※ 5,000円

例えば、以下のように小学生の子供と中学生の子供2人を養育している場合で、所得制限限度額未満であれば、月額2万円を受給できます。

具体例 小学生の子供と中学生の子供2人を養育している場合

子ども:小学生、中学生
所得制限:限度額未満


10,000円 + 10,000円 = 20,000円

月額2万円を受給できます。

所得制限額

所得制限額は、扶養親族等の数に応じて下表のとおりとなります。

所得(税引後)よりも、年収(税引前)の方が判断しやすい場合は右の数値を参考にされてください。

扶養親族等の数 所得制限限度額 年収の目安(控除前)
0人 622万円 833万3000円
1人 660万円 875万6000円
2人 698万円 917万8000円
3人 736万円 960万円
4人 774万円 1002万1000円
5人 812万円 1042万1000円

例えば、子どもが1人の場合は、子どもを養育育てる方の660万円(年収だと875万6000円以上が目安)、2人の場合は698万円(年収だと917万8000円以上が目安)です。

なお、離婚の事案では、この所得制限額以上となるケースはそれほどおおくありません。

 

児童手当の支給の時期

原則として、毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が支給されます。

(例)6月の支給日には、2~5月分の手当が支給されます。

 

 

特別児童扶養手当

特別児童扶養手当とは

車椅子これは身体や精神に障害のある20歳未満の児童について、支給される手当です。

前述した児童扶養手当とは別の目的に基づいて支給されるものですので、併給が可能です。

 

特別児童扶養手当の支給条件

1級(重度)
・療育手帳A・身体障害者手帳1、2級

2級(中度)
・療育手帳B・身体障害者手帳3級または4級の一部

※手帳がなくても該当する場合があります。くわしくは最寄りの役場へお問い合わせください。

所得が一定未満であること
・所得要件は厳しくなく、ほとんどの世帯では受給可能ですが、計算が複雑なため最寄りの役場へお問い合わせください。

児童が、児童福祉施設等(通園施設は除く)に入所しているときは受給できません。

 

特別児童扶養手当の支払額

手当の月額は次のとおりです(2019年7月1日現在)。

1級(重度) 該当児童1人につき 5万2200円
2級(中度) 該当児童1人につき 3万4770円

 

特別児童扶養手当の支給の時期

手当の支払いは、4月、8月及び11月の3期に、それぞれの前月までの分が支払われます(11月は当月までの分)。

 

 

就学援助

就学援助とは

これは、経済的理由によって、就学困難と認められる児童等に対して、市町村が学用品費、給食費、通学費などを援助する制度です。

援助の条件や内容等は自治体によって若干異なるため、くわしくは最寄りの自治体にお問い合わせください。

なお、例として、福岡市の場合を紹介します。

 

就学援助の要件

(一例)前記の「児童扶養手当」を受給していることなど。

 

支給費目及び支給額

具体例 小学校1年生の場合

  • 給食費:実費
  • 学用品費:1学期 7020円
  • 入学準備金:5万0600円
  • 校外活動費:実費(上限 3650円)
  • 通学費:必要と認められる額

福岡市の就学援助について、くわしくはこちらのページをごらんください。

 

 

母子父子寡婦福祉資金

母子父子寡婦福祉資金は、母子家庭等の経済的自立と、その扶養する20歳未満の子供の福祉の増進を図るため、原則、無利子で各資金の貸付を受けれる制度です。

利子と償還(返済)期間は、貸付金の種類によって異なりますが、無利子や低金利で資金を借りられ、3~20年で返済を行います。

借り入れの条件等について、くわしくは最寄りの役場へお問い合わせください。

福岡市の母子父子寡婦福祉資金についてはこちらのページをごらんください。

 

 

その他

公的扶助としては、上記が主要なものとなりますが、その他にも税の減免、医療費助成等があります。

お住まいの地域によって援助の内容が異なるため、くわしくは最寄りの自治体にお問い合わせください。

 

 

まとめ

離婚後に受給できる各種手当や制度について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

上記のとおり、日本では、母子(父子)に対して、様々な公的援助があり、離婚して生活ができないという状況はあまり考えられません。

これらの制度は、正しく活用すると、離婚後の生活が楽になるためとても重要です。

当事務所には、離婚問題に精通した弁護士で構築される離婚事件チームがあります。

離婚事件チームの弁護士は、すべての弁護士がファイナンシャル・プランナーの資格を保有し、離婚後の生活設計を含めたきめ細やかなサポートを行っています。

また、税理士や社会保険労務士などの専門家も在籍しており、離婚の悩む方々をサポートしています。

ご相談の流れについては、こちらをご覧ください。

なお、当事務所では、離婚後の生活に対する不安を解消していただくために、上記の公的扶助や必要な手続等を解説した「新生活サポートBOOK」を相談者の方に無料で進呈しております。

「新生活サポートBOOK」についてはこちらからどうぞ。

 

 


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