子どもの手続代理人とは?【離婚弁護士が解説】

掲載日:2015年10月6日|最終更新日:2020年1月14日

子どもの手続代理人とは

子どもの手続代理人とは、子どもが家裁の調停や審判手続に参加するのをサポートする弁護士のことをいいます。

従来、親権者をどちらにするか等を判断する際に、日本では、子どもの意見表明権の保証は不十分といわれていました。

このような問題意識を背景として、家事手続法が2013年に施行され、子どもの地位の強化が図られました。

すなわち、家事事件手続法65条においては、家庭裁判所は子の陳述の聴取、調査官調査等により子の意思の把握に努め、子の年齢・発達の程度に応じ、その意思を把握するよう考慮しなければならないと定められたのです。

子どもの手続代理人となる弁護士は、子どもが手続行為能力を有する審判・調停手続において、子どもに代わり、裁判所での面接調査・意見聴取手続への同行、試行的面会交流の立ち会いなどを行います。

具体的には、子どもと直接面談し、これから行われる手続が何か、どのような段階か、進行の見通しなどを説明し、子どもの意思を把握したうえで、その主張を行っていくこととなります。

手続代理人となる弁護士は子どもが自ら選任するか、必要な場合には裁判長が選任することもできます。

 

 

子どもの手続代理人のメリット

子どもの手続代理人は、裁判所から独立した地位を有するため、子どもとの自由なコミュニケーションを通して、その意見を聞くことができます。

また、子どもの側から、手続代理人に質問をしたり、自分の考えを伝えたりすることもできます。

このように、手続代理人が積極的に家事手続に関与することによって、親権や面接交渉についての紛争において、子どもの意思がより尊重されるようになると期待されています。

 

子どもの手続代理人のデメリット

能力面の問題

日本においては、家裁に調査官という専門職がおり、従来から子どもの意向調査などを行ってきました。

この調査官は、児童心理に詳しい専門家であって、子どもの真意を把握するために活用されています。

他方で、子どもの手続代理人は、弁護士が選任されます。

児童心理の専門家ではない弁護士が、子どもの意思を正確に汲み取ることができるのか、などの問題点が指摘されています。

公平性の問題

子どもの手続代理人は、例えば、親権の争いの場面で、子どもが任意に選任することができます。

この場合、その手続代理人が本当に公平に職務を行っているのか、疑問視されることが予想されます。

親権を争う状況は、通常、両親が別居して片方が子どもを監護しています。

この場合、子どもに手続代理人を選任するよう促すのは、事実上、その監護親です。

弁護士は、子どもだけでなく、その監護親と面談し、選任されることが想定されます。

また、手続代理人の報酬は、日弁連の援助制度もありますが、本来的には当事者である親が負担します。

そのため、本当の子どもの目線ではなく、監護親側の親に有利な活動を行うのではないかという懸念があります。

 

 

利用状況

裁判家事手続法が制定された当初、子共の手続代理人制度がどのように運用されていくのか、注目されていました。

しかし、執筆者の個人的な主観ですが、家裁において、実務上、あまり活用されていないように思います。

これは、子どもの手続代理人には、上記のようなデメリットがあるからだと思われます。

サポートする側の能力や公平性を考えると、従来からある、調査官の調査制度を利用する方がよいと考えられます。

また、当事者から選任の申立があっても、裁判官についても、消極的な対応をすることがあるようです。

 

 

子どもの手続代理人についての相談

弁護士宮崎晃子どもの手続代理人については、弁護士にご相談されると良いでしょう。

ただし、子どもの手続代理人は、上記のとおり、あまり活用されていないようですので、可能であれば、離婚専門の弁護士が望ましいと思われます。

当事務所は、離婚事件に注力する弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、子どもの手続代理人についてもサポートしています。

子どもの手続代理人や親権の問題について、お悩みの方は当事務所までお気軽にご相談ください。

ご相談の流れはこちらのページをご覧ください。

親権について、詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。

 

この記事を書いた人

弁護士 宮崎晃


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