子どもが4人以上の婚姻費用は?【弁護士解説!新算定表対応】

執筆者
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士。
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)

掲載日:2017年4月5日|最終更新日:2020年1月24日

婚姻費用を算定するときは、実務上、算定表という簡易的な早見表を使っておよその額を算定します。

算定表による算定方法についてはこちらをごらんください。

この算定表は、夫婦双方の所得を当てはめて婚姻費用の適正額を算出するものですが、早見表であるため、通常の場合を想定されています。

子どもの数は最大で3人までの場合しか、婚姻費用の額を確認できません。

4人兄弟のイメージイラストそのため子どもが4人いる場合、どのようにして算定すべきかが問題となります。

この場合、いくつか考え方はありますが、ここでは標準的な生活指標を用いて算出する方法をご紹介します。

この方法を理解するために、前提として、婚姻費用の標準的な算定方法を解説します。

婚姻費用の標準的な算定方法

計算標準的な算定方式では、義務者・権利者双方の実際の収入金額を基礎とし、義務者・権利者及び子どもが同居しているものと仮定し、双方の「基礎収入」の合計額を世帯収入とみなし、その世帯収入を権利者グループの生活費の指数で按分し、義務者が権利者に支払う婚姻費用を算出します。

その「基礎収入」、子の生活費、義務者が支払うべき婚姻費用の額を算定する計算式は、次のようになります。

①基礎収入

「基礎収入」とは、税込収入から「公租公課」、「職業費」及び「特別経費」を控除した金額であり、「養育費を捻出する基礎となる収入」のことをいいます。

総収入から、 公租公課、職業費および特別経費を控除した基礎収入の割合は、給与所得者と自営業者とで異なります。

源泉徴収票のイメージ画像給与所得者の基礎収入は、総収入の概ね 38~54%の範囲内となります。

自営業者については、給与所得者と異なり、課税される所得金額を総収入とします。

課税される所得金額に対する割合を、給与所得者と同様に求めた結果、自営業者の基礎収入は、総収入の概ね 48~61%の範囲内となります。

下記の基礎収入の割合表は、ある裁判官が統計上の平均的数値をもとに作成したものであり、算定表ではなく手作業で基礎収入を算出するときの目安になります。

具体的な事案に応じて修正してください。

給与所得者の場合

基礎収入 = 総収入 × 0.38 ~ 0.54(割合表は下表を参照)

給与収入(万円) 割合(%)
0~75 54
~100 50
~125 46
~175 44
~275 43
~525 42
~725 41
~1325 40
~1475 39
~2000 38

 

自営業者の場合

基礎収入 = 総収入 × 0.48 ~ 0.61(割合表は下表を参照)

給与収入(万円) 割合(%)
0~66 61
~82 60
~98 59
~256 58
~349 57
~392 56
~496 55
~563 54
~784 53
~942 52
~1046 51
~1179 50
~1482 49
~1567 48

 

②婚姻費用の計算式

権利者世帯に割り振られる婚姻費用 = Z

権利者が子ども1人(15未満)と同居しているケースを例とします。

(Z)=(X+Y)☓(100+62(子の指数))/(100+100+62(義務者の指数+権利者の指数+子の指数))

X:義務者の基礎収入
Y:権利者の基礎収入
Z:権利者世帯に割り振られる婚姻費用

義務者から権利者に支払うべき婚姻費用の分担額 = Z – Y

 

指数についての補足説明

成人の必要とする生活費を 100とした場合の子の生活費の割合(指数)を定めます。
生活費の指数化については、生活保護法第8条に基づき厚生労働省によって告示されている生活保護基準のうち「生活扶助基準」を利用して積算される最低生活費に教育費を加算して算出します。
その結果、子の標準的な生活費の指数(以下「子の指数」という)は、親を100とした場合、年齢 0歳から 14歳までの子については 62、年齢 62歳から 15歳までまでの子 については 85となります。

 

子どもが4人いる場合の婚姻費用の算定方法

以上を前提として理解してもらった上で、子どもが4人いる場合を考えてみます。

具体例 子どもが4人いる場合の婚姻費用

義務者の年収(給与所得)が 800万円、権利者の年収(給与所得)が 200万円、15歳未満の子どもが 4人いる場合の婚姻費用権利者世帯に割り振られる婚姻費用 =(Z)

・義務者の基礎収入(X): 800万円 × 0.4 = 320万円
・権利者の基礎収入(Y): 200万円 × 0.43 = 86万円

(Z)=(320+86)×(100+62+62+62+62)/(100+100+62+62+62+62)

(Z)= 315.375万円

義務者から権利者に支払うべき婚姻費用の分担額(年額)= Z – Y

315.375万円 – 86万円 = 229.375万円

12カ月で割ると、

229.375万円 ÷ 12か月 ≒ 19.1146

よって、月額約19万1000円となります。

 

 

具体的な額については離婚に特化した弁護士へご相談を

上記の計算方法はあくまで一例です。

また、婚姻費用は双方の収入の他にも、学費、治療費等の特別の支出や住宅ローンを考慮する場合もあります。

さらに、別居に至った経緯等の状況も千差万別です。

婚姻費用はあくまで離婚が成立するまでのものですが、今後の交渉に大きな影響力をもつためとても重要です。

弁護士本村安宏画像そのため具体的な額の見込みについては、離婚を専門とする弁護士へのご相談を強くおすすめします。

当事務所の弁護士は、離婚について圧倒的な解決実績を誇っております。

まずは当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。

 

 

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