婚姻費用・養育費と行政の扶助(①児童手当、②授業料無償化)について教えてください。

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【児童手当についての質問】

夫との間に子どもが1人いるのですが、現在、別居中です。婚姻費用を請求しているのですが、夫は児童手当の額は控除するなどと言っています。このような夫の主張は、認められてしまうのでしょうか?

【授業料無償化についての質問】

現在、福岡県では高等学校就学支援金という制度(平成26年4月以降の入学者で、世帯所得が一定未満の場合、就学支援金を受けることで授業料の納入が実質不要となる制度)があると聞きました。

私と妻には中学3年生の子どもが1人いますが、このたび、妻が子どもの親権者となり、離婚することになりました。

この場合、高等学校就学支援金制度を利用できる見込ですから、養育費は当然減額できますよね?

 

 

弁護士の回答

弁護士竹下龍之介これらのご質問について、婚姻費用・養育費の問題に詳しい弁護士が解説します。

児童手当や高校の授業料無償化は、実際の家計に大きな影響をもたらします。

以下、項目ごとに詳しく解説します。

 

児童手当について

例えば、児童手当ですが、以下のとおりです。2月、6月、10月にまとめて入金されます。

年齢 支給額(月額)
0~3歳未満 1万5000円
3歳~小学校修了前 1万円(第1子・第2子)
1万5000円(第3子以降)
中学生 1万円

 

 

高等学校就学支援金制度【福岡県】

福岡県の高等学校就学支援金制度ですが、概要は以下のとおりです。

学校本来、従業料が全日制の場合で9,900円かかります。

これが、市町村民税所得割額が保護者等の合算で304,200円未満である世帯の場合、ゼロになります。

市町村民税所得割額と言われてもピンと来ない方も多いでしょうが、モデル世帯(両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人(16歳以上)、中学生1人の子供がいる世帯)で年収910万円未満とされています。

より詳しくは、行政に問合せをされてみてください。

 

 

裁判所の判断(平成23年3月17日決定)

これらの行政上の扶助は、婚姻費用や養育費に影響を与えるのでしょうか?

この点、最高裁(平成23年3月17日決定)は次のように述べています。

①児童手当について

(児童手当は)次代を担う子どもの育ちを社会全体で応援するとの観点から支給されるものであり、夫婦間の協力扶助義務に基礎をおく婚姻費用の分担額に影響しない。

②授業料無償化について

妻が高校生と中学生の子を監護養育しているところ、子の通う公立学校の授業料はそれほど高額ではなく、妻の生活費全体に占める割合もさほど高くないものと推察されるなどの事情の下では、公立高等学校にかかる授業料の不徴収は、夫が負担すべき婚姻費用の額に影響を及ぼすものではない。

この判例を念頭に、事例を考えましょう。

弁護士の考え

事例1の夫の主張は、ようするに、「児童手当の分だけ婚姻費用をひく」というものです。しかしながら、①の最高裁の判示からわかるとおり、誤りということになります。夫の主張は認められません。

事例2の夫の主張は、ようするに、「授業料無償化がなければ、養育費から、授業料を支払うことになるが、授業料が無償なのだから、養育費もその分減額できるはずだ。」というものです。

学校この点、②の最高裁の判示は、事例判断です。

しかし、福岡県の公立学校の授業料は前述のとおり1万円弱であり、妻の生活費全体に占める割合もさほど高くないといえる場合には、夫の主張は認められないことになりそうです。

より詳しくは、この問題に詳しい当事務所の弁護士にご相談ください。

 

 


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