独身時代の預貯金全額が財産分与から除外されるわけではない?

財産分与についてよくある相談Q&A

通帳を見る女性のイラスト財産分与は、夫婦の共有財産を半分にわけるものと聞いています。

私の場合、結婚した時期が遅かったため、独身時代に貯めていた貯金が多くありました。

そのため、財産分与にあたって別居時の残高のすべてを分与対象とするのはいきすぎではないかと思うのですが・・・

弁護士の回答

この問題に弁護士がお答えします。

財産分与の対象

計算財産分与の対象は、夫婦で協働して築いた財産です。逆にいえば、独身時代の預貯金は夫婦で協働して得たものではありませんので、財産分与の対象から除外されるのが原則です。

もっとも、独身時代から使用していた預金口座を婚姻後も引き続き使用することはよくあることですし、これと渾然一体となることも多いでしょう。

このような場合に、どれだけを特有財産として分与対象から除外するのか争いになります。

 

 

さまざまな考え方

ファイナンシャルプランニング独身時代の預金口座が引き続き使用される場合、婚姻期間中に口座間の金銭の移動や増減が繰り返されるため、別居時の残高から単純に独身時代の残高を控除してよいとは限らない場合があります。

この計算方法としては、単純に控除する考え方、家計と完全に切り離された預金口座を使用していた場合に限りそれを特有財産として控除する考え方、特有財産・共有財産の区別の問題ではなく、財産形成への寄与度の問題であるとする考え方などがあります。

どのような計算をするのか、決まった方法が確立しているわけではなく、それぞれのケースにとってもっとも公平を図ることのできる計算方法が採用されているのが実務といえます。

 

 

相談者の場合

弁護士同居期間がどれだけあるのかによって特有財産として控除できる額が決まってくるといえます。

裁判手続きで問題になったケースでは、特に別の口座を利用していたということもなく、約7年間同居し、金銭が独身時代と渾然一体となっていたという状況下において、同居期間中の収入により、(独身時代の預貯金の減少分が)補填されていたと考えることができるため、独身時代の残高を控除するのは相当ではないとされました。

同居期間が長期間にわたってくると、婚姻時の預貯金が基準時の預貯金と完全に分離するという判断は難しくなります。

同居期間がある程度長い場合は、独身時代の預貯金を全額控除することはできないものと考えておいた方がよいでしょう。

 

 

お悩みの方は当事務所まで

当事務所では、財産分与の問題に詳しい弁護士が在籍しております。財産分与についてお悩みの方は、お気軽に当事務所の弁護士までご相談ください。

 

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