私は、専業主婦ですが、財産分与を受けることは出来ますか?

財産分与についてよくある相談Q&A

執筆者:弁護士宮崎晃

243792可能です。

財産分与は、夫婦それぞれの財産形成に対する貢献度によって決まるという考え方が取られています。

そして、妻の方が、専業主婦であったとしても、家事労働は立派な労働と評価されます。

したがって、基本的には5:5として認められる傾向にあります。

 

財産分与とは

電卓とお金

財産分与とは、離婚する際に、夫婦が結婚生活の中で築き上げた財産を公平に分配することをいいます。

「公平に分配」するために、基本的には2分の1となることが多いです。

例えば、夫名義の財産が2000万円、妻名義の財産が200万円あったとします。

この場合、以下の計算式より、妻は夫に対して、900万円の財産分与を求めることが可能です。

具体例 夫名義の財産が2000万円、妻名義の財産が200万円あった場合

夫婦共有財産:2000万円 + 200万円 = 2200万円
それぞれの取得分:2000万円 × 1/2 = 1100万円
妻の夫に対する請求:1100万円 − 200万円 = 900万円

なお、財産分与は、基本的には、離婚する前に取り決めることになります。

離婚後でも請求することは可能ですが、期間制限(原則として2年間)がありますので注意が必要です。

 

 

財産分与の問題点

財産分与については、以下の3つの問題があります。

対象財産を正確に把握できない

まず、対象となる財産が何かよくわからない、調査できない、という問題があります。

相手方が財産を隠すことはよくあります。このような場合、財産分与に精通した離婚専門の弁護士でなければ調査は難しいと考えられます。

また、婚姻時に有していた財産や婚姻後でも贈与や相続で譲り受けた財産は、特有財産といって、財産分与の対象から外れますが、これらについても、素人の方は、どうやって証明すればよいのかわからない、という問題があります。

 

評価が難しい

対象となる財産が正確にわかったとしても、次に、それを適切に評価するのが難しいと考えられます。

評価しなければならないのは、不動産、株式、退職金、保険、貴金属などの動産などです。

例えば、不動産については、固定資産評価額を「財産分与の基準」としなければならないと考える方もいますが、これは誤解です。

固定資産評価額は、あくまで課税の局面での評価額であり、財産分与における評価額は「時価」と考えるべきです。

通常、時価のほうが固定資産評価額よりも高額なので、固定資産評価額で財産分与を考えると、適切な額とはなりません。

 

相手方が応じない

財産分与の対象財産がわかり、評価ができたとしても、相手方が応じてくれなければ協議での解決は困難です。

離婚においては、相手方が感情的になっていたり、相手方への恐怖心などから、ご本人が相手方と協議を行うことが難しい場合が多くあります。

 

 

財産分与のコツ

専業主婦の方の場合、適切な財産分与を受けるためには、コツがあります。

以下の3つのコツをご紹介いたします。

 

対象財産の調査のコツ

記録財産分与の対象として、代表的なものとしては、預貯金、不動産、保険金、自動車、株式、退職金があげられます。

このうち、不動産と自動車については、よほどの資産家でない限り、存在していることが明らかであって調査は不要なことがほとんどです。

問題は預貯金、保険金、株式、退職金です。

預貯金、保険金、株式 預貯金、保険金、株式

最も重要なことは、口座の履歴情報です。口座の履歴を見れば、保険料の引き落としや株式の配当が記載されていることが多いので、預貯金だけでなく、保険金や株式の存在も調査が可能です。

口座履歴については、通帳があれば、その取引履歴をコピーしておけばよいでしょう。

通帳を確認することが難しければ、以下の弁護士照会や裁判所の調査嘱託の方法で金融機関から取引履歴を開示してもらうことが可能です。

退職金 退職金

まだ、退職まで期間がある事案でも、家裁実務において、退職金は財産分与の対象として認められる傾向です。

ただし、対象となるのは、財産分与の基準日における分ということになります。

退職金については、相手方から退職金規定や退職金の見込額の証明書を開示してもらうことで調査します。

もし、相手方が開示しない場合、下記の弁護士照会や調査嘱託によって調査することを検討します。

その他の調査方法

【弁護士照会】

弁護士に依頼して、弁護士法23条による照会を行うと、多くの金融機関は取引履歴を開示してくれます。


【裁判所の調査嘱託】

裁判所に対して、調査嘱託を申し立てると、基本的に金融機関は取引履歴を開示してくれます。

※ただし、上記の方法は、いずれも金融機関名が判明していることが必要です。

財産評価のコツ

預貯金等の現金等価物は、評価は問題となりません。

財産評価において、最も問題となるのは、通常、不動産と株式です。

不動産については、正確には不動産鑑定士に依頼するという方法があります。

しかし、費用が高額になるため、高額物件以外の場合は、お勧めいたしません。お勧めは、不動産会社に査定書を作ってもらうことです。

最も、不動産会社によって、査定の精度に差があると感じています。財産分与で損を知ないためには、信用できる不動産会社に査定してもらうことが重要です。

株式は、上場会社であれば日経新聞で時価を調査できます。

問題は非上場会社です。この株式が問題となるのは、相手方が会社経営者の場合が多いと思います。

会社経営者(社長)に特有の離婚問題については、こちらに詳しい情報を掲載しているので、ぜひ、ごらんください。

相手方との交渉のコツ

話し合い相手方が財産開示に応じない、相手方と接触することに抵抗があるような場合、弁護士に交渉を依頼して協議離婚を進めてもらうという選択肢があります。

また、家裁に離婚調停を申立てるという方法も考えられます。

もっとも、家裁の調停員会は、公平な第三者であり、あなたの味方というわけではありません。

また、通常、対応する2名の調停委員は、一般の方であり、裁判官ではないため、財産分与について法律知識が乏しい場合もあります。

そのため、調停員会の言葉を鵜呑みにできないので、注意が必要です。

財産分与について、調査方法などのより詳しい情報は、こちらをごらんください。

 

 


財産分与についてよくある相談Q&A

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