離婚成立は慰謝料請求にどのような影響がありますか?

不倫(不貞行為)についてよくある相談Q&A

焦る女性のイメージイラスト私は、既婚者の男性と不貞関係にありました。

そして、彼は私との不貞行為が原因で離婚が成立したそうです。

今後、彼の妻から慰謝料請求された場合、どのようなことを考える必要がありますか。

弁護士の回答

ご質問に対して、当事務所の弁護士が解説します。

 

慰謝料額の決め方とは?

慰謝料の額は、有責性婚姻期間相手方の資力等の諸般の事情を考慮し決定されます。

「慰謝料額の決定要素は?相場はあるのですか?」をご覧ください。

 

不貞行為の法律について

第三者との不貞行為が原因で離婚に至った場合、不貞相手に対して不法行為に基づく慰謝料請求(民法709条)ができるほか、配偶者に対しても離婚慰謝料を請求できます。

この場合の不貞行為は、配偶者と相手方との共同不法行為であり、その損害賠償債務は、法律用語で不真正連帯債務といいます。

不真正連帯債務とは、いわゆる連帯債務の一種ですが、債務者間に緊密な関係がないため、弁済及びこれと同視できる事由を除いて、一方の債務者に生じた事由が他方の債務者に影響しないものと解されています。

裁判すなわち、不貞相手が慰謝料を全額弁済した場合には、不貞した配偶者の支払義務は消滅することになります。

他方、不貞した配偶者に対して慰謝料請求権を免除した場合であっても、原則として、免除の効力は不貞相手には及ばないと考えられています。

なお、不真正連帯債務であっても、例外的に、一方の債務者に対する免除が、他方の債務者にも効力が生じる場合があるとした裁判例(最判平成10年9月10日)があります。

 

求償権について

お金共同不法行為の場合、一方の加害者が自己の負担分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分については、他方の加害者に対し、求償することができます。

具体例としては、不貞行為について、不貞行為をした配偶者と不貞相手の責任が50:50の場合、不貞相手が慰謝料(200万円と認定されたと仮定して。)として200万円全額を支払った場合、自己の負担分(100万円)を超えて、慰謝料を支払ったことになりますので、負担分を超える100万円部分については、他方の加害者に対して、求償請求をすることができるということになります。

 

離婚しなかった場合

不貞行為によって、夫婦が離婚せず、婚姻関係が継続している場合であっても、慰謝料請求権は消滅しません。

なぜなら、不貞相手の不法行為は、「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為」ですので、仮に、夫婦が離婚しなかった場合にも、当該利益を侵害したことに変わりはないので、慰謝料の支払義務は消滅しません。

もっとも、結果的に離婚しなかったという事情は、慰謝料額の算定において考慮される可能性があります。

 

本件で離婚成立が慰謝料請求に与える影響は?

まずは、このような場合、相手方がどのような考えを持っているか確認する必要があり、その上で、理論的には、妻が彼に対して慰謝料請求をしたのか、慰謝料額を支払った場合にはいくら支払ったのか、協議書は作成されていないか等を確認することが望ましいです。

しかし、感情的になっている相手方に対して、このような要求をしても応じてくれないことや、状況が悪化する可能性などもあるので、やみくもに要求をするのではなく、相手方の感情や対応等を踏まえながら、真摯に話し合いをすることが大切です。

もっとも、弁護士にご依頼した場合には、弁護士が交渉の窓口となりますので、ご自身で相手方と話し合う必要がなくなります。

一度、離婚問題や男女問題を専門分野とする弁護士に相談することをお勧めします。

 

 


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