過去に遡って支払った養育費を返してもらえますか?

養育費についての質問です。 養育費についての質問です。

私と元妻は、約6年前に離婚しました。

私と元妻との間には、子どもが1人(現在10歳)いますが、子どもの親権は元妻が取得し、離婚時に毎月7万円の養育費を支払うことで合意しました。

毎月7万円の養育費ということで合意したため、私は欠かさず支払いを続けてきました。そうして、約6年の月日が経過しました。

そのような中、あるとき、元妻が再婚し再婚相手と子どもが養子縁組をしていることを知りました。再婚・養子縁組は、3年前になされていました。

その後、色々と調べたところによると、相手が再婚した場合、私の支払っている養育費が減額されるかもしれないことが分かりました。

そうなると、私は3年もの間、本来であれば支払わなくてよかったかもしれない養育費を支払っていたことになります。

このような場合、過去に遡って支払った養育費を返してもらうことはできないのでしょうか?

 

 

 

弁護士の回答

弁護士森内公彦ケースによりますが、別に合意等がなされていない本件では、過去に遡って払いすぎた養育費を返してもらうことは難しいと思われます。

この問題について、弁護士が解説いたします。

 

養育費の取り決め

書類離婚時に養育費をきちんと取り決めておくことは、後々のトラブルを避けるという意味で重要です。

取り決め方法として、口約束でも合意は成立しますが、後で、言った言わないの話にならないようにするために書面化しておいた方がよいといえます。

 

再婚・養子縁組した場合に養育費がどうなるか

きょうだい養育費の支払義務は、子どもに対して自身と同程度の生活を保持させるということが根拠になります(生活保持義務といいます)。

今回の質問では、離婚当初は夫がこの義務を負っていたといえます。

そして、前妻が再婚し、その再婚相手(相当程度の収入あり)が子どもと養子縁組した場合、第一次的にはこの再婚相手(養親)が子ども対する義務を負うことになります。

そのため、再婚・養子縁組の場合、養育費の変更(減額等)をすることが可能になり得ます。

なお、養育費の算定方法については、こちらをご覧ください。

また、再婚・養子縁組の場合の養育費の算定については、こちらをご参照ください。

 

一度決まった養育費を変更することができるか(事情変更)

養育費は長期にわたって、子どもをサポートするために支払うものですが、その間様々な事情によって状況が変わることがあります。

そうした場合、一度決まった養育費であっても、先方との話し合い等によって養育費の額を変更することができます。

例えば、今回の質問者のように相手方が再婚・養子縁組をしたというのは、典型的な事情変更の場合といえるため、減額の請求をして養育費の変更がなされることがあります。

 

過去に支払った養育費を返してもらえるのか

以上からすると、相談者(元夫)は、相手方(元妻)が再婚・養子縁組をした時点で請求をすれば養育費の金額が減額されていたかもしれないため、支払い過ぎた養育費を返すように主張することができるとも思えます。

たしかに、元夫の言い分も心情としては理解できます。

時間しかし、養育費の支払合意は、一度決めた以上、新たな取り決め(合意や審判等)がなされない限りは、法的に有効に存続します。

そのため、ケースによりますが、後になって支払わなくてよかったはずだと主張して返還請求をしたとしても、別に合意等がなされていない本件では、過去に遡って払いすぎた養育費を返してもらうことは難しいと思われます。

なお、この点は見解が分かれるところで、過去の審判例には事情変更の事情が発生したときに遡ると判示した審判例もありますので、一概には言えないところです。

 

 

対応のポイント

本件のような場合、可能な限り後々のトラブルを回避するためには、離婚時の合意書に例えば、離婚時の取り決めに、「再婚した場合には双方連絡することを約束する」ことを明記しておくことが考えられます。

こうしておくことで、できる限り早く相手方の再婚を知ることが可能になります。

また、相手方の再婚・養子縁組を知った場合には、まずは、内容証明郵便で相手方に養育費減額を請求したり、養育費の減額調停を申し立てるという形で、養育費減額請求の意思を明確にしてことも重要になります。

養育費のこのような問題についてお悩みの方は、この問題に詳しい専門家にご相談されることをお勧めします。

養育費について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

 


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