保険は財産分与の対象になりますか?

弁護士の回答

解約返戻金が発生する保険は、財産分与の対象となります。

生命保険(いわゆる積立型の保険)や学資保険、損害保険の中には、契約内容によって解約した場合に解約返戻金が発生するものがあります。

○を出す男性のイラスト解約返戻金が発生する保険は、財産的価値があると評価できるので、保険も財産分与の対象となるのです。

実際には、財産分与の基準時時点での解約返戻金額を分けることになります。

では、あなたが契約している保険は財産分与の対象となるのでしょうか。

保険証券のイラストまず、お手持ちの保険証券を確認しましょう。

保険の種類によっては、保険証券に、契約時からの年数に応じた解約返戻金の額が記載されているものがあります。このような場合には、保険証券から解約返戻金が大体いくらくらいになりそうか、見込額を推定することができます。

もし、保険証券にそのような記載がなかった場合には、解約返戻金の見込額の証明書を保険会社へ連絡して取り寄せましょう。

役所手続のイメージイラスト保険会社の担当窓口に連絡して、別居時などの時点を特定し、解約返戻金の見込額の証明書を発行してほしいと伝えると、自宅まで郵送してくれるでしょう。

なお、学資保険については、子どものためのものだから財産分与の対象とはならないのではないかとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、学資保険も、将来の教育資金に充てるために夫婦共有財産から積み立ててきた保険ですので、仮に裁判等で争うと、財産分与の対象になる可能性があります。

そのため、今後の見通しを立てるために、解約返戻金の見込額は調べておくべきです。

なお、掛け捨て型の保険や、財産分与の対象としなかった保険についても、離婚後は、受取人を変更したり、契約継続の可否を判断したりする必要が出てきます。

弊所の所属弁護士は全員FPの資格を持っており、離婚後の保険をどうするかについてもご相談いただけます。

ぜひご相談ください。

保険の財産分与の問題点

保険の財産分与が問題となる事案では共通して見られる傾向があります。

以下、紹介しますので、ご参考にされてください。

①相手方の保険を把握していない

相手方が契約者である保険について、正確に把握していない方が多くいらっしゃいます。

また、正確に把握しているつもりでも、実は他にも保険に入っていたというケースもあります。

財産分与の最大のポイントは、対象財産を漏れなく調査することであり、保険についても同様です。

②保険の財産価値を評価できない

電卓相手方の保険について、把握できたとして、次にその財産価値を評価しなければなりません。

通常、評価については保険会社に解約返戻金の証明書を出してもらって調査しますが、契約者である相手方本人が請求しなければ基本的には証明書を発行しません。すなわち、相手方が任意に応じてくれなければ裁判所での調査嘱託などの複雑な手続の必要があります。

また、仮に、解約返戻金がわかったとしても、婚姻前から当該保険の保険料を支払っている場合、特有財産として考慮する必要があります。

さらに、財産価値の基準日についても、別居時で行うか、それとも離婚時で行うか、という問題があります。

このように、財産価値の評価は、素人の方では難しい要素があります。

③話し合いにならない

相手方の財産の内容や価額を正確に把握できたとしても、そもそも相手方とまったく話し合いにならないというケースがとても多くあります。

そもそも、離婚を考えている当事者同士ですので、感情的になって、当事者だけでは話し合いにならないという状況は珍しくありません。

 

保険の財産分与の3つのポイント

①保険会社や保険の種類を調査する

相手方の保険について、解約返戻金の額が不明の場合、保険会社や保険の種類がわかれば、ある程度の内容を調査することができます。

相手方の保険会社や保険の種類については、自宅に送られてくる保険会社からの文書を見ると記載されていることがあります。

保険会社等についての情報がまったくない場合、保険料の引き落とし口座の通帳を確認すると、保険の内容が摘要欄に印字されていることがあります。

保険会社等の情報があれば、当該保険会社のホームページ等で、保険契約の内容を把握することが可能です。

毎月の掛金を推定して、ある程度の解約返戻金の額を算出することができるでしょう。

②双方の財産及び証明資料の開示を提案する

申告書こちらから一方的に財産開示を求めても、相手方は不信に思って開示してくれないことがあります。

相手方に財産開示をしてもらうコツは、その不信感を払拭することです。

そのために、財産分与の前提として、財産開示が必要なことを伝え、相手方だけではなく、双方が財産開示をすることを提示してみましょう。

また、財産開示にあたっては、打ち合わけを開示するだけではなく、その証明資料についても、双方が開示するようにしましょう。

証明資料は、相手方の主張する財産の内容が真実か、隠し資産がないか等を確認するため必要です。

保険でいうと、保険証券の写しや、解約返戻金の見込額の証明書となります。証明書は契約者本人が保険会社に電話すれば発行してくれるはずです。

③不明な内容については釈明を求める

相手方から開示された財産の内容や資料について、不明な点や不信な点があれば、相手方に釈明を求めるようにします。

例えば、預貯金の通帳を見ていて、高額な預貯金が引き出されているなどが典型です。このような場合、何のために引き出したのか、釈明を求めます。

もし、相手方が納得がいく説明ができない場合、資産隠しの疑いがあります。

 

財産分与について、対象財産の調査方法や評価手法については、こちらをごらんください。

財産分与について、よくあるQ&Aはこちらをごらんください。

 

 

 


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「財産分与」についてよくある相談Q&A


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