福岡の離婚事情

「日本では現在3組に1組が離婚する時代になった」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

3組に1組もの夫婦が離婚しているのであれば離婚は決して珍しくありませんし、もはや少数派とはいえないでしょう。

しかし、あなたの回りの方で、実際に離婚している方は3分の1もいらっしゃるでしょうか?

確かに、「知り合いに離婚した方はいるが、3組に1組まではいかない」という感覚の方が多いのではないでしょうか?

もしかしたら、福岡県は全国と比較して離婚率が低いのでは?と考える人もいるでしょう。

では、福岡の離婚事情はどうなっているのか、厚生労働省が公表している数字をもとに考えてみましょう。

人口動態調査厚生労働省

弁護士福岡県の離婚件数についてみると、2015年は1万0063件、2014年は9981件、2013年は1万0290件と大体1年間で1万件前後です。

実はこれは全国の47都道府県中8位の件数です。数は少なくありませんし、全国平均よりもかなり多いといえます。

しかし、絶対値では「3組に1組か」は判断できません。

それでは、福岡の離婚率はどうでしょうか。

厚生労働省の平成27年人口動態調査によれば、福岡県の離婚率は、1.99(人口1000人あたり)で全国第5位となっています(データは2015年のもので。5年毎にデータが公表されています。)。

日本全国第5位ですので、福岡県の離婚率は日本の中では比較的高い方といえるでしょう。

念のため、福岡市でみるとどうでしょうか。

福岡市の人口は約150万人です(2016年1月1日現在)。

前記厚生労働省の調査によれば、離婚件数は、3043件、離婚率は2.01件(人口1000人あたり)であり、福岡県の離婚率よりも、やや高いことがわかります。

このように福岡の離婚率は全国的に見て高いといえます。しかし、人口比で考えると、1000人中2人程度ですので、それほど高い割合とはいえません。

では、「3組に1組が離婚」というのは、何に依拠して算出されているのでしょうか。

実は、「3組に1組が離婚」というのは、「1年間の離婚件数」を「1年間の新規婚姻件数」で除した場合の数字をいっているようです。

すなわち、2015年の離婚件数は22万6215件であり、これを婚姻件数の63万5156件で除すと約35.6%です。

福岡県の場合、同年の離婚件数が1万0063件、婚姻件数が2万7566件ですので、これだと約36.5%にも上ります。

弁護士これはかなり高い離婚率です。

しかし、この数字の見方には注意が必要です。この計算は、毎年の婚姻数が不変であれば夫婦の離婚率を正確に現すといえます。

ところが、婚姻数は一定でありません。すなわち、2015年は63万5156件ですが、その前の2014年は64万3749件、2013年は66万0613件、遡って昭和50年を見ると94万1628件です。

このように、婚姻件数は年々減少傾向にあるのです。昭和50年と比べると減少率は約32%にもなります。

婚姻数がかなり減少していることを踏まえると、実際の離婚率は30%にも満たないといえるのではないでしょうか。

メディア等の「3組に1組」という表現は鵜呑みにしないほうが良さそうです。

とはいえ福岡の離婚率が相対的に高いのは間違いないでしょう。全国的に見て、毎年、離婚率が高い都道府県は一定しています。

しかも、この離婚率は年々少しずつ上がっています。そのうち、本当に3組に1組程度離婚する時代が到来するかもしれません。

 

 





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